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        <title>可視化の考え方 on Data Visualization Japan</title>
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        <description>Recent content in 可視化の考え方 on Data Visualization Japan</description>
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        <lastBuildDate>Mon, 29 Dec 2025 00:00:00 +0000</lastBuildDate><atom:link href="https://data-visualization.jp/tags/%E5%8F%AF%E8%A6%96%E5%8C%96%E3%81%AE%E8%80%83%E3%81%88%E6%96%B9/index.xml" rel="self" type="application/rss+xml" /><item>
        <title>荻原 和樹／データを伝える基本原則 ―『データ思考入門』で目指したこと</title>
        <link>https://data-visualization.jp/ogiwara-communicating-data/</link>
        <pubDate>Mon, 29 Dec 2025 00:00:00 +0000</pubDate>
        
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        <description>&lt;p&gt;Data Visualization Japan Meetup 2025「データ可視化本 著者が語る」（2025年12月29日オンライン開催）における、荻原 和樹さんの講演です。一般向けの新書『データ思考入門』（講談社現代新書）で目指した「データを伝えるための基本原則」について、報道の現場で培った制作経験をもとにお話しいただきました。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
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&lt;/div&gt;

&lt;p&gt;皆さん聞こえておりますでしょうか。荻原 和樹と申します。本日はこうしたイベントに登壇させていただき、本当に光栄に思っております。私の持ち時間は少し短めで、矢崎さんとの質疑の時間も取りつつ、30分ほどお話しさせていただきます。「著者が語るデータ可視化」というトピックですので、私からは、2023年に出した『データ思考入門』という本で目指した「データを伝える基本原則」というタイトルでお話しします。どうぞよろしくお願いいたします。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;自己紹介&#34;&gt;自己紹介
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;改めまして、荻原と申します。今は自分の会社の代表をしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もともとは東洋経済という出版社で、東洋経済オンラインや週刊東洋経済といったメディアに向けて、データ・ビジュアライゼーションを活用した報道コンテンツの開発やデザインをしていました。3Dのインタラクティブなマップや、1枚もののインフォグラフィックなど、企画を立て、記事を開発・デザインし、執筆までを自分で行うというスタイルです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その後、スマートニュースのメディア研究所という社内シンクタンクのような部署に移り、GitHub でのオープンソース・プロジェクトや、オープンデータ、データジャーナリズムに役立つデータの公開などに携わりました。次に Google のニュースイニシアティブという組織で、報道機関や大学に向けて、データの活用方法・可視化の方法といったデジタルスキルを中心にしたトレーニングやワークショップを行っていました。そして今年に入って独立し、現在はメディア向けの可視化ツールの開発や、学校向けのデジタル教材の開発などをしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;著書としては『データ思考入門』などの単著のほか、『伝わるデータビジュアル術』『データ・ジャーナリズム』といった共著があります。これまで作ってきた作品としては、新型コロナのダッシュボードが一番目にされた方が多いかもしれません。ほかにも、3Dの地球儀、グラフがアニメーションで動くインタラクティブなグラフィック、3Dに配置した人口ピラミッド、図書館の蔵書データをインタラクティブな地図とグラフで表したものなど、いろいろなものを作ってきました。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;データ思考入門を書いたきっかけ--10年後も役立つ考え方&#34;&gt;『データ思考入門』を書いたきっかけ ― 10年後も役立つ考え方
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;今回お話しするのは、講談社現代新書から2023年に発売した『データ思考入門』という本です。「数字や統計に強くなる」というキャッチコピーの通り、一般向けに、データを可視化する際の基本的なものの見方・考え方を解説したものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;出版のきっかけは、「データ可視化について10年後も役立つ考え方」を伝えたい、というところにありました。スマートニュースや Google で報道機関・大学向けのレクチャーをしていると、「どうやってデータ可視化の勉強を始めればいいですか」という質問を本当によく受けたんです。相手は新聞社・テレビ局・出版社・Webメディアの記者や編集者が中心でしたが、「データビジュアライゼーションは面白そうだから始めたいけれど、何から手をつければいいか分からない」「新型コロナのダッシュボードは話題になったが、ほかのものをどう作ればいいか分からない」と。入門的な教材は、海外の大学のオンライン講座などはあっても敷居が高い。そういう声が出発点でした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その場でも私なりに答えてはいたのですが、それなら、基本的な考え方を体系立てて一冊にまとめればいいのではないか、と考えたわけです。ですので、文系の初学者に向けた内容になっています。おそらく今日登壇している方の中で、私が一番の文系だと思います。だからこそ、今回は唯一「縦書き」の本にしました（これは後ほど改めて触れます）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;一方で、報道機関やメディアの現場では、使っているツールは Python、各種ライブラリ、Tableau、Excel などさまざまです。言語一つとっても、JavaScript なら D3.js を使う人もいれば、フレームワークが React か Vue かも人によって違う。メンバー構成も、私のように企画から開発・デザイン・執筆まで一人でやるタイプもいれば、記者がエンジニアやデザイナーとチームを組む場合もある。ビジネスでも、自分で Tableau を触る人もいれば、社内のエンジニア・デザイナーと調整して本格的なダッシュボードを作る場合もあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ツールもフレームワークもメンバー構成もそれぞれ違う。けれど、その根っこには必ず共通する「基本の考え方」があるはずです。今回の狙いは、具体的なツールの使い方そのものよりも、10年後も役立つ基本的な考え方・基礎教養をカバーすることでした。理想的には、何らかのツールの使い方を解説した本と、この本を組み合わせて読んでもらえたら、というイメージで書いています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;本書の特徴-報道などの事例を豊富に紹介&#34;&gt;本書の特徴① 報道などの事例を豊富に紹介
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;ここからは本書の特徴をいくつか紹介します。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;1つ目は、報道などの事例を豊富に紹介している点です。本書の中心は初学者向けの基本原則・考え方――データの読み方、探し方、表現手法（どんな可視化手法を選ぶか）、色などのデザイン――にありますが、原理原則や概念だけだと抽象的でとっつきにくい。そこで、事例を数多く盛り込み、具体例で腹落ちするようにしました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば、ウォール・ストリート・ジャーナルが2015年（ちょうど10年以上前）に発表した &amp;ldquo;Battling Infectious Diseases in the 20th Century&amp;rdquo; というインフォグラフィックがあります。縦軸にアメリカの50州を取り、それぞれの人口あたりの感染者数（はしか）をヒートマップで表したもので、ワクチンが導入される前後で全米のはしかの感染者数が劇的に変わったことが一目で分かります。こうしたデータジャーナリズム――データを使った報道――の事例、とくに海外の事例を多く紹介しています。報道機関が発表したもの、私自身が東洋経済オンラインや個人で作ってきたもの、今回のために書き下ろしたものなどを含め、76点ほどの図表を掲載しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;データを「伝える」ことにフォーカスした本なので、たとえば「データ可視化の3段階」といった整理もしています。自分のためのデータ可視化（仮説検証用）、組織のためのデータ可視化（社内向けのレポートやダッシュボード。ビジネスの多くはここに当たります）、そして社会のためのデータ可視化（報道やアート）です。この「社会のためのデータ可視化」というフィールドは、組織のためのものとは少し違うポイントが必要になるのではないか、という話を書いています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;本書の特徴-実際の制作経験に基づく内容&#34;&gt;本書の特徴② 実際の制作経験に基づく内容
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;2つ目の特徴は、実際の制作経験に基づいている点です。東洋経済オンラインやスマートニュースでいくつか作品を発表してきましたが、その経験から得た「広い社会にデータを伝えるためのコツや注意点」を紹介しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば、東洋経済オンラインで作成した「日本の夏が徐々に暑く・長くなっている」というインフォグラフィック。100年以上前からの気象庁のデータをプロットすると、夏の気温が現在に近づくほど暑くなり、しかも残暑が厳しくなっていることが分かる、というものです（ヒートマップと呼ばれる手法で作っています）。こうした制作事例について、どんなことを思って作ったのか、どんなきっかけで作り始めたのか、試行錯誤やプロトタイプをどう重ねてきたのか、といったことを書いています。実際に作ってみて痛い目を見た経験もたくさんあるので、それも書いています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;本書の特徴-データの編集過程を手厚く解説&#34;&gt;本書の特徴③ データの「編集」過程を手厚く解説
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;3つ目の特徴は、データの編集過程を手厚く解説していることです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「データの可視化 ＝ グラフの飾り付け」ではない。可視化という行為は、グラフを飾り付けたり派手にしたりすることだけではなく、その前のステップこそが非常に重要だ――このミートアップに参加している方なら頷いていただけると思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;具体的には、まずデータを取捨選択すること。とくに行政が公開している統計データは、同じように見えても定義や集計範囲が微妙に異なり、たくさんのバリエーションがあります。100個あるデータを100個すべて出すのは簡単ですが、受け手にとっては非常に分かりづらい。そこで、最も重要と思われるデータ、社会的に必要とされているデータをいかに取捨選択するかが大事になります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さらに、重み付けや補完も必要です。どれが重要なデータなのかを人間が目で見て強調したり、単独のデータでは誤解を招きそうなら移動平均を添えたり、値を補完して補助線を引いたりする。当然、そこには「伝えたいメッセージ（タイトル）を定義すること」や「可視化手法の選定」も含まれます。地図がよいのか、グラフがよいのか、ヒートマップがよいのか――データなら何でも地図にすればいいというものではありません。本書では、こうした一連の作業を「データの編集」と呼んでいます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;エンジニアであれデザイナーであれ記者であれ、どんなメンバーにも共通する考え方として、この編集過程を全員で共有できていないと話がうまく伝わらない。だからこそ、ここは特徴として手厚く解説しています。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;データを読む罠--喫煙率と肺がん死亡率&#34;&gt;データを読む罠 ― 喫煙率と肺がん死亡率
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;本書ではデータを読む際の罠も紹介しています。たとえば「日本人男性の喫煙率と肺がんの粗死亡率」。粗死亡率とは、単純な人口10万人あたりの死亡率です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;グラフを見ると、男性の喫煙率は1958年から2018年にかけてだんだん下がっています。1960年代には80〜90%近くあった喫煙率が、2018年には30%を切っている。ところが一方で、肺がんの粗死亡率はどんどん上がっている。では、喫煙率が下がるほど肺がんの死亡率は上がるのか――常識的にそんなわけはありませんよね。喫煙率が下がれば、タイムラグはあれど、肺がんによる死亡は減るだろうと直感的には考えられる。でもグラフ上では減っていない。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なぜか。答えは年齢調整にあります。先ほどのにゃんこそばさんの話にもあったように、人口統計は生物学的な年齢構成を踏まえて考える必要があります。がんは高齢になるほど罹る確率が高まる。つまり社会が高齢化するほど、がんになる人は相対的に増えたように見える。この期間に日本人の平均寿命はどんどん伸び、高齢化が進んだため、単純な粗死亡率は増えたように見えていたのです。ちゃんと年齢調整をすると、タイムラグはあれど、肺がんの年齢調整死亡率は減っている。こうした罠を解説しています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;本書の特徴-不完全なデータの可視化&#34;&gt;本書の特徴④ 不完全なデータの可視化
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;4つ目の特徴は「不完全なデータの可視化」です。類書にはあまりなさそうな内容として入れてみました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;データは常に完璧であるとは限りません。とくに報道のように社会的な注目度が高いデータを可視化しようとすると、生データに近いものほど、一部が欠落していたり、集計基準が変更されていたり、データが古かったり、ラベルにズレがあったりします。ラベルのズレとは、たとえば「完全失業率」というデータのラベルから想像される「失業」の一般的なイメージと、統計上の定義とが少し違う、といったことです。行政系の統計データにはよくあります。こうしたデータを何も考えずにそのまま可視化すると、誤解を招くことがあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;たとえば新型コロナのダッシュボードで、日本に上陸してから3か月ほど経った5月時点までに、厚生労働省はすでに2回ほど集計基準を変更していました。基準が変わったので、グラフ上ではある時点から急に感染者数が増えたように見える。それをそのまま可視化すると、なぜか感染者数が急増したと受け取られかねません。予測値や速報値も同様に注意が必要です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こうしたデータは注記を添えるのが基本ですが、注記だけだと、社会的に重要なデータほどグラフだけを切り取られて拡散されてしまう恐れがあります。だからこそ、なるべくデザインに落とし込んで、デザインで注意喚起を実現しようという話をしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;このほか、「グラフの父」と呼ばれるウィリアム・プレイフェアと、その著書『商業および政治のアトラス』の紹介や、個人情報とデータの関係も取り上げています。数年前に、官報から破産者のデータをスクレイピングして誰でも見られる地図に落とし込んだ「破産者マップ」という、はた迷惑な事例がありました。データは何でも可視化すれば便利、何でもオープンにすれば便利、というわけではなく、プライベートな情報や個人情報に関わるものは、あえて少し不便にしておく方が社会的には良い場合もある。これは、社会的に広くデータを伝えるうえでの弊害の例だと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;少し変わったところでは、「御料理献立競」という高級料理店の番付も取り上げました。日本人はランキングが好きで、いろいろなメディアで毎日のようにランキングが公開されていますが、ランキング自体は1800年代から存在していた、という話です。当時人気を誇った高級料理が番付形式で紹介されている。昔から日本人はランキングが好きだったんですよ、というわけです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;縦書きという選択&#34;&gt;縦書きという選択
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;先ほど触れたように、この本はデータ可視化の本には珍しく縦書きを選びました。講談社現代新書は縦書きでも横書きでもよいと言われたのですが、迷った末に縦書きにしました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;理由は、新書という形態であれば、当初の狙い通り、文系の初学者に多く手に取ってもらえるだろうと考えたからです。そうした人たちには、新聞や雑誌と同じ縦書きの方が馴染みがあるはずです。もちろん私自身はずっと横書きで文章を書いていますし、横書きの方が便利であることは確かです。それでもあえて縦書きにすることで、縦書きが好きな人にもデータとの付き合い方が届けばいいな、と考えました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ちなみに縦書きのデータ本はほとんどありません。今日ご一緒する登壇者の皆さんの本や、Kindle で持っているシャーリー・ウーさんの Data Sketches なども横書きです。縦書きだと、松本健太郎さんがデータ関連の著作を出しているくらいでしょうか。ほかに、データ可視化の歴史書のような本もあります。ウィリアム・プレイフェアの事例に始まり、1800年代の事例から現代のコンピューターグラフィックスまで、データ可視化がどう発展してきたかを扱った面白いものです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;一冊を書き上げるまで&#34;&gt;一冊を書き上げるまで
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;書籍1冊分――新書だと図表にもよりますが10万字ほどが目安です。これを書き上げるのが私にとって一番のハードルでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;経緯としては、当時スマートニュースの子会社だったスローニュースというメディアで、「データを伝える技術」という連載をしていました。1回あたり5000字程度が目安だったので、毎回ざっくりテーマを決めて――たとえば第1回は「データを読む」――構成は考えず、自分が一番面白いと思うトピックから書き始め、5000字書いたら止めて原稿として出す。これを繰り返して、まず1冊分（10万字）の原稿を書き溜めていきました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;次に、かなりアナログな方法ですが、各トピック（1500〜2000字ほど、ブログ1本分くらい）に分けて全部ハサミで切り出し、一覧にして、川喜田二郎さんのKJ法のようにテーマごとに並べ替えました。40〜50枚ほどになったこの束を、関連するもので分類していく。当然、並べ替えると「前回ご紹介したこの事例ですが」といった書き出しを全部書き直すはめになり、とても大変だったのを覚えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;こうしてゲラが出来上がりました。余談ですが、講談社の校閲はさすがに優秀です。ウィリアム・プレイフェアについて「1823年に64歳で亡くなった」と書いたところ、校閲の方が生年月日から計算して、「この年はまだ誕生日が来ていないので、63歳ではないですか」と鉛筆で指摘してくれていました。きちんと調べてくれていて、商業出版のありがたい部分だなと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;反響&#34;&gt;反響
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;反響としては、主にビジネス書として受け止めてもらえたようで、丸善・丸の内本店などにも並べてもらいました。先ほど「一番の文系」と申し上げた通り、取り上げてくれたのも週刊東洋経済や文化通信といったメディア系の週刊誌・雑誌が多く、書評もいくつか書いていただきました。週刊ダイヤモンドに載せてもらったりと、文系・ビジネス系の反響が多かったです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;面白いところでは、福井大学教育学部の入試問題に採用されました。入試問題への採用は、漏洩を防ぐため事前にも事後にも著者へ一切連絡が来ません。参考書の出版社が過去問として掲載する際、転載の許可を取る段になって初めて連絡が来る、という流れになっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;心に残った反響としては、読者からのお手紙が一番印象に残っています。かなり高齢の、おそらくリタイアされた年齢のご夫婦から、出版社経由で直筆のお手紙をいただきました。達筆で、「数字は馴染みがなかったが興味深かった」という内容でした。これはとても良かったです。縦書きに馴染みがある人、必ずしもプログラムや Tableau、Power BI をバリバリ使えるわけではない人――新型コロナをはじめさまざまな経験を経て、データが好きでも得意でもない人に届けることには、それはそれで意味があると強く感じていたので、それまで届いていなかった人に届いたという点で本当に良かったと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;もちろん専門的で高度な内容を目指すのも意義のあることです。ただ私としては、これまでデータ可視化を考えてこなかった人、グラフは難しいと思っている人にも届く、というのが書籍の良いところだと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;今後書きたいこと&#34;&gt;今後書きたいこと
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;生成AIやツールの発達によって、データ・ビジュアライゼーションの制作は簡単になりました。ですがそのコインの裏として、偏ったデータや悪意のあるデータ可視化も増えたと思います。新型コロナ下では、外国籍の人々があたかも感染を持ち込んでいるかのように見せる、本当に悪意のあるグラフもたくさん見てきました。今も政治関連などで、自分たちは客観的だという体を取りながらヘイトに使われるような事例がたくさんあります。ツールの発達によって、良くも悪くも、とても綺麗なグラフが簡単に作れるようになってしまった影響は大きいと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;だからこそ、簡単に作れるようになった今こそ、データそのものや、その背景・制作意図を正確に読み解くデータリテラシーが必要なのだと思います。そういう大学生向け・社会人1年生向けの書籍も作れたら、と考えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;というわけで、30分ちょっとになりました。ご清聴ありがとうございました。&lt;/p&gt;</description>
        </item>
        <item>
        <title>LT：羽田 康祐／メルカトル図法には手を出すな！</title>
        <link>https://data-visualization.jp/lt-mercator/</link>
        <pubDate>Fri, 29 Dec 2023 00:00:00 +0000</pubDate>
        
        <guid>https://data-visualization.jp/lt-mercator/</guid>
        <description>&lt;p&gt;Data Visualization Japan Meetup 2023（2023年12月29・30日開催）における、羽田 康祐さんのLTです。主題図を誤解なく表現するための最適な地図投影法について、Googleマップでおなじみのメルカトル図法を題材に解説します。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
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&lt;p&gt;&lt;a class=&#34;link&#34; href=&#34;https://www.docswell.com/s/wingfield/5YWR19-2023-12-29&#34;  target=&#34;_blank&#34; rel=&#34;noopener&#34;
    &gt;スライド&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「メルカトル図法には手を出すな」ということでお話ししていきます。10分という、LTには少し長めの時間をいただきました。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;自己紹介&#34;&gt;自己紹介
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;私は GIS（地理情報システム）というデジタル地図を扱う会社で働いています。もともと地図に強い興味があり、プライベートでは日本地図学会でいろいろとお手伝いをしています。アウトドアが好きで、好きな地図投影法はピアース・クインカンシャル図法です。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;メルカトル図法はおかしいと言う地図が実はメルカトル図法ではない&#34;&gt;「メルカトル図法はおかしい」と言う地図が、実はメルカトル図法ではない
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;最近、メルカトル図法――Googleマップで有名になった図法ですね――を解説する動画がすごく増えてきました。メディアなどでも「メルカトル図法は（高緯度の）面積が大きく見えるよね」「これを見るとロシアがすごく誇張されているよね」といった説明をよく見るようになりました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ、こういった形、ちょっとおかしくないですか。よく見ると、ロシアやアメリカ、カナダがすごく拡大されている。お気づきの方も多いと思うのですが、「メルカトル図法はおかしい」と解説しているその地図が、実はメルカトル図法ではない、ということがよくあるんです。正しくはこちらがメルカトル図法になります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なぜ間違った地図がメルカトル図法として解説されてしまうのか。おそらく、グラフィックの素材――地図は作るのが大変なので――がいろいろ提供されていて、そこにメルカトル図法以外のものが混ざっている。それを「これだ」と見つけて使ってしまうのが原因ではないかと思っています。ありがちなのは、グリーンランドだけが強調されていたり、逆に描かれていなかったりするケースです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;1枚ずつ見ると分かりにくいのですが、地図を比較してみると、たとえばグリーンランドはよく引き合いに出されますが、ロシアの北にあるタイミル半島も、どんどん大きくなっていきます。まるで某有名漫画のラムちゃんの角のように。さすがにこれはやりすぎだろう、というのが本当のメルカトル図法なんですね。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;メルカトル図法とは--角度が正しい航海のための地図&#34;&gt;メルカトル図法とは ― 「角度が正しい」航海のための地図
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;真面目にお話しすると、メルカトル図法は16世紀に、現在のベルギーのゲラルドゥス・メルカトルという人が航海のための地図として作ったものです。この地図の特徴は、コンパスで見た方向に進んだ進路が、地図上でまっすぐ直線に描けること。現在でも海図（海の地図）の投影法として使われています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;なお、間違えやすいポイントとして、「海図に対して、航空図（飛行機で使う地図）は最短経路が直線で結ばれる正距方位図法が使われている」といった解説がありますが、これも実は正確ではありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;メルカトル図法の特徴を整理すると、まず「角度が正しい」。これは円の形が円のまま維持できるということで、大きさは違ってもちゃんと円の形が保たれる。こうした図法を正角図法と呼び、転じて「狭い範囲であれば形が正しい」とも言えます。それから、経線の方向（真北の方向）が一定なので、地図上のどこでも北に対する方位が同じになります。ただし、北に対する方位が同じでも、すべての方位が正しいわけではありません。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;正角図法というと見慣れたメルカトル図法のような形を思い浮かべがちですが、先ほど私が好きな図法として紹介したピアース・クインカンシャル図法も正角図法の一種です。円の形は円のまま維持できていますが、世界の様子という意味では見た目がまったく違いますよね。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;データ可視化では航海しない--面積のゆがみが問題になる&#34;&gt;データ可視化では「航海」しない ― 面積のゆがみが問題になる
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;さて、データ・ビジュアライゼーションの世界で、皆さん航海ってしますか。航海はしないですよね。ですから、メルカトル図法の長所（航路が直線になること）は活きず、短所の1つである「面積が正しくない」ことのほうが、データで情報を可視化するうえでとても不都合になります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;何が不都合なのか。面積を誇張すると、本来は地球上で一定だった点の分布や密度が、メルカトル図法で高緯度が拡大されることで点がばらけて見え、密度が低い＝情報が少ないように感じてしまいます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;また、数値を色の濃さに置き換える塗り分け（コロプレス図）もよく使われますが、面積が大きくなると同じ色でもより濃く印象づけられ、誤解を与えてしまいます。たとえば、ある機関が作成した新型コロナウイルスの国別感染者数の地図をアメリカとロシアで見比べると、凡例の分類は同じはずなのに、ロシアのほうが数が多いのではないか、と直感的に思ってしまうんですね。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;どんなときならメルカトル図法でも問題ないか&#34;&gt;どんなときならメルカトル図法でも問題ないか
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;では全部ダメなのかというと、そうではありません。緯度が低く赤道に近いほど、そして狭い範囲ほど、メルカトル図法でも問題は小さくなります。拡大率の差が地図の中で1に近づけばよいわけです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;逆に、たとえば北海道の札幌市のような場所では、そのままのメルカトル図法だと角度が正しく表せず、正方形に区切られた直角の交差点が直角に描けません。そういう場合は、横向きにした「横メルカトル図法」などで表現する必要があります。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;世界地図の分布図に向く投影法&#34;&gt;世界地図の分布図に向く投影法
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;では、世界地図で分布図を描くとき、どんな投影法を使えばいいのか。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;1つはナチュラルアース図法。地球が丸いという印象も残せます。もう1つは、面積が正しい正積図法であるイコールアース図法。これは2018年に作られた、本当に最近の投影法です。地図投影法は決して古く枯れた技術ではないんですね。イコールアース図法で描くと、先ほどのアメリカとロシアの印象の違いはだいぶ和らげられます。ほかにもたくさん投影法があるので、デモサイトなどで確認してみてください。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;世界の中心をずらす--日本人には太平洋中心&#34;&gt;世界の中心をずらす ― 日本人には太平洋中心
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;もう1つ、「世界の中心で、今回は愛を叫びたい」と思っています。何を叫ぶのかというと――GISの地図データは誰でも手に入るようになり、簡単に表示できるのですが、そのまま表示するとイギリスのグリニッジ子午線が中心になります。すると、ロシアがどうしても途切れてしまう。ですから、せめてベーリング海峡で区切るように中心の経度をずらしたほうがよいと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;やはり日本人としては、日本に馴染む地図といえば太平洋を中心にしたものですよね。東経150度を中心に表示すると、きれいに大西洋で分断されて、日本人に馴染みやすい地図にできます。こうしたところも気をつけるとよいと思います。GISソフトウェアの進歩で本当に簡単に作れるようになり、設定を少し変えるだけで日本中心・太平洋中心にできます。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;まとめ&#34;&gt;まとめ
&lt;/h2&gt;&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;「メルカトル図法ではない地図」に騙されない。「これは本当にメルカトル図法か」を少し意識してみてください（ただし、そればかりを批判するのもよくないと思います）。&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;地図の投影法は本当にたくさんあります。目的・縮尺・表示する範囲によって、適切な投影法を選びましょう。&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;日本人にとっての世界地図は、太平洋を中心にしたほうが馴染みやすい。ソフトウェアで簡単に設定できるようになりましたが、知識がないと世界の中心は動かせません。ぜひ地図を知ってもらえると嬉しいです。&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;最後に少しだけ宣伝を。地図について学ぶには『地図リテラシー入門』という本があります。主題図・地図投影法・地理情報システムに関する内容を、一般書として読みやすくまとめました。密かにデータ・ビジュアライゼーションに関わる人たちにも読んでほしいという思いを込めています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;また、日本地図学会では、国連と国際地図学協会が共著で書いた『SDGsのための地図作成』という本の翻訳版を作っています。今まさに冬休みの宿題として校正をしているところで、日本語版を無償で配布する予定です。こちらもぜひご覧いただければと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ご清聴ありがとうございました。&lt;/p&gt;</description>
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