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        <title>OSINT on Data Visualization Japan</title>
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        <description>Recent content in OSINT on Data Visualization Japan</description>
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        <lastBuildDate>Tue, 02 Dec 2025 00:00:00 +0000</lastBuildDate><atom:link href="https://data-visualization.jp/tags/osint/index.xml" rel="self" type="application/rss+xml" /><item>
        <title>久能 弘嗣（日本経済新聞）／世界のメディアは、航空機事故をどのようにビジュアルで報道しているのか</title>
        <link>https://data-visualization.jp/nikkei-aviation-accident-viz/</link>
        <pubDate>Tue, 02 Dec 2025 00:00:00 +0000</pubDate>
        
        <guid>https://data-visualization.jp/nikkei-aviation-accident-viz/</guid>
        <description>&lt;p&gt;2025年12月2日に PYNT竹橋で開催されたイベント「災害と事故をめぐる可視化：報道・デザイン・建築をつなぐ対話」における、日本経済新聞社 シニアニュースルームデザイナー・久能 弘嗣さんの講演です。2024年1月の羽田空港JAL機炎上事故の報道コンテンツをどう作ったか、そして海外メディアが航空機事故をどう可視化しているかを紹介します。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
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&lt;p&gt;&lt;a class=&#34;link&#34; href=&#34;https://www.slideshare.net/slideshow/data-visualization-japan-2025/284649651&#34;  target=&#34;_blank&#34; rel=&#34;noopener&#34;
    &gt;スライド&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;日本経済新聞の久能と申します。本日は「世界のメディアは航空機事故をどのようにビジュアルで報道しているのか」というテーマで、弊社の事例なども含めてご報告させていただきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2024年1月に羽田空港で JAL の航空機と海上保安庁機が衝突・炎上するという大きな事故がありました。日経がその事故をどのように報道したのか、制作の裏側をお話しします。そこから話を広げて、海外メディアは航空機事故をどのようにビジュアルで報道するのか、日頃ビジュアルコンテンツを収集しているのでまとめてまいりました。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;自己紹介&#34;&gt;自己紹介
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;シニアニュースルームデザイナーという役割で仕事をしています。聞いたことがない役割の名前だと思いますが、対外的な呼称として社内で昨年定められたものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2012年に武蔵野美術大学を卒業し、グラフィックデザインやタイポグラフィなどをやっていました。卒業後はデザイン事務所でエディトリアルや展覧会のデザインなど、デザイン業務全般をやっていました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこから、データ可視化やインフォグラフィックスで情報を読み手に伝えることを専門的にやりたいと思い、インフォグラフィックスをやるために新聞社に行きました。新聞社は「ニュースグラフィックス」という言葉があるくらいインフォグラフィックスが多いので、どこか新聞社に入りたいと思っていたところ、今の会社がちょうど募集していたので入りました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そこで紙面用のグラフィック、ひたすらチャート作りをやって、しばらくしてプログラミングでグラフィックスが作れるようになり、デジタルの職場に異動して、これからご紹介するようなデジタルコンテンツの制作を始めて、早10年目に突入というところです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これまでの仕事では、これからご紹介する JAL 機の事故のコンテンツや、コロナ禍における感染状況をビジュアルで伝えるコンテンツを作っていました。また、衛星画像やオープンソースを使ったビジュアルの制作にも力を入れていて、ガザの戦争に関する報道もやっています。少し時間が空いてしまいましたが、大統領選の開票なども担当していました。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;1-日経はjal機炎上事故報道をどう作ったか&#34;&gt;1. 日経は「JAL機炎上」事故報道をどう作ったか
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;2024年1月1日に能登で大きな地震があり、その翌日、羽田空港で JAL の航空機と海保機がぶつかって大きく炎上してしまうという事故がありました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それをオープンソースから事実を掘り起こし、3D空間上に再現しながら、ユーザーに何が起こったのかを伝えるコンテンツを作りました。Flightradar24 というデータサービスや Google Earth を使い、これから紹介する Blender というアプリケーションや After Effects などを組み合わせて、事故状況を再現しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;SNS上に投稿された写真・映像なども使いながら、リアリティを持ってどのような事故だったのかを伝えています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;我々が近年力を入れていたのが**オープンソース・インテリジェンス（OSINT）**です。公開情報や SNS 投稿、当局の発表など、誰もが手に入れられるデータをもとに事実を掘り起こす。その技術を用いて「どうもこういうことらしいぞ」ということを伝えているというものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;コンテンツには、通信の記録をタイムテーブルにして、どういうやり取りがあったのかを音声とともに並べたものもあります。また、事故発生から1週間で作ったので、1週間経った時点でどのあたりに課題が残っているのかをまとめたり、専門家の立場から「この事故を冷静に分析するとどう思われますか」というコメントをいただいたり。手に入るデータで「そもそも羽田空港とはどういう空港なのか」というデータから羽田空港を見る、という構成にもなっていました。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;制作の流れ--正月に有志13人&#34;&gt;制作の流れ ― 正月に有志13人
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;ざっくりとしたチーム構成は、新聞社でよく言われる「デスク」という立場のエディターが3人、記者が6名（クレジット掲載ベースなので、断片的に関わった記者はほかにもいます）。クリエイティブは、私を含めてウェブディレクター、デザインエンジニア、デザイナー、エンジニアの4名。&lt;strong&gt;総勢13人が、正月にもかかわらず有志で集まって作りました&lt;/strong&gt;。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;流れとしては、事故発生と同時に Slack のチャンネルが立ち上がり、そこに取材・調査の状況が上がってくる。これがキックオフです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;3Dのモデリングや動画に強いデザイナーがいて、彼を中心にデジタル空間上で事故状況を再現していきました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私は事故発生と同時に取材の状況や Slack のチャンネルを追っていて、いろいろ集まってきている、「これだけ材料があればビジュアル・ストーリーテリングができそうだ」と判断したあたりで Figma での構成を始めました。そして「ビジュアルデータ」という自由度が高いインフラで、まるごと手作りするという流れで作っていました。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;3d再現動画の作り方&#34;&gt;3D再現動画の作り方
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;冒頭でお見せした、飛行機が動く動画の部分です。主に使ったのは5つ――&lt;strong&gt;Blender、Google Earth Studio、（ADS-B のデータ）、Flightradar24 / FlightAware、After Effects&lt;/strong&gt; です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;3Dモデルは Blender で作り、航空機の飛行経路データと衛星画像は Google Earth Studio で管理。データは Flightradar24 / FlightAware から取得しました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;Google Earth Studio では、KML というデータを入れると航空機の経路がプロットされます。下にタイムラインが付いていて、カメラワークを設定できます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;Google Earth Studio で編集したデータを Blender に持っていきたい、というときにどうしようかと彼が悩んでいたところ、GitHub 上に &lt;strong&gt;Earth Studio Tools&lt;/strong&gt; というプラグインを見つけた。これを見つけたおかげで何とか Blender に持っていくことができて、動画を作ることができたと言っていました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;Blender 上で飛行機のモデルを置き、アニメーションをつける。最後に After Effects で動画として調整します。コンテンツ上では、実際の写真と3Dの空間を重ね合わせるような処理を加えたり、航空機がどういう動きをしたと見られるかという矢印を加えたりと、最終的な動画としての処理を After Effects 上で加えていました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これが、デジタル空間上に事故状況を再現するプロセスです。昨今のジャーナリズム界隈では&lt;strong&gt;スペーシャル・ジャーナリズム（空間ジャーナリズム）&lt;strong&gt;や&lt;/strong&gt;3Dリコンストラクション&lt;/strong&gt;と呼ばれています。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;webページをどう作ったか&#34;&gt;Webページをどう作ったか
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;材料が集まってきた段階で、ビジュアルストーリーを Figma で構成し、「こういう話の順序にしたらいいのではないか」という叩き台を私が作る。それをエディターやリポーターと一緒に Figma を見ながら「ああしたらいい、こうしたらいい」と議論することを繰り返し、「この構成で良さそうだね」となった段階でプログラミングに入ります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「ビジュアルデータ」は内部的な呼び名で、インタラクティブなコンテンツ群のことです。これらは HTML、CSS、JavaScript を用いて1つ1つ手作りしています。フルスクラッチで、それをひたすら1週間で書き上げるということをやっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;初めてインタラクティブなコンテンツを公開してから10年が経ちました。その10年の蓄積を &lt;strong&gt;CSS のフレームワーク&lt;/strong&gt;として開発していて、定型化できるところはそのフレームワークで組み上げれば、統一されたタイポグラフィでビジュアルコンテンツができる。中長期的にそれを育て続けているというもので、これも活用します。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;スクロリーテリングの仕組み&#34;&gt;スクロリーテリングの仕組み
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;「スクロリーテリング」という言葉を使いますが、改めておさらいすると――背景がユーザーのスクロールに合わせてインタラクティブに動き、その中で特定のシーンに合わせて原稿が流れてくる。スクロールさせながら背景が動き、説明したいことを解説するテクニックです。時系列的な表現や段階的な表現をより分かりやすくするので、複雑な事象の場合によくこの手を使います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;技術的にそれほど難しいものではありませんが、スクロリーテリングのフレームワークを独自に作っています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;背景で飛行機が消失する瞬間を表現しているのですが、デジタルに詳しい方は「背景に MP4 か何かがあって制御しているのかな」と想像されるかもしれません。&lt;strong&gt;実はこれ、1枚1枚が画像ファイルです&lt;/strong&gt;。原稿が流れてくるタイミングに合わせて、止めたい画像を表示させるというロジックになっています。この JAL のコンテンツでは&lt;strong&gt;290枚ほどの画像&lt;/strong&gt;を背景に仕込んでおいて、スクロールに合わせて該当のシーンを表示させています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;技術的には MP4 でもできますし、MP4 の方が動きは滑らかです。ただ、スマートフォンに低電力モード（省エネモード）がオンになっていると、そもそも自動再生がされないという仕様があったりします。もう1つは、MP4 だとローディングの状況によっては、説明したいシーンのときにテキストが来なかったりする。&lt;strong&gt;シーンと原稿を精密に、確実に合わせたい&lt;/strong&gt;ときは、画像のフリップブックにした方が正確に合わせられるというメリットがあるので、こちらのやり方をよく使っています。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;レスポンシブ--どんなデバイスでも同じ体験に&#34;&gt;レスポンシブ ― どんなデバイスでも同じ体験に
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;デザインの話になりますが、レスポンシブ・ウェブデザインに気をつけましょう、と。どんなデバイスやシチュエーションでも、情報が欠落することなく適切に見やすく表示されるようにデザインとコーディングをする。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;具体的には、交信のタイムラインは PC だと大きな画面なので一覧性を高くできますが、スマホでは画面が小さく、全部をぎゅっと詰め込もうとすると無理が生じるので、レイアウトを変える。グラフィックスも、PC で大きく表示できるものをそのままスマホに持っていくと文字が小さくて読めないので、&lt;strong&gt;スマホ版と PC 版で画像を作り分けて出し分けましょう&lt;/strong&gt;ということをしています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;記者においては「この暗闇の中で起きた事故をどこまで調査・検証できるのか」、デザインにおいては「フロントエンドでうまくいくか、レスポンシブでうまくいくか、コーディングは間に合うか」、エンジニアに関しては「バグや不具合が出ないか、どのデバイスでも安定して動くか」――それぞれの領域で全力を出して1週間で作る、ということをしておりました。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;途中の質疑から&#34;&gt;（途中の質疑から）
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;Q. 事故発生後すぐに Slack が立ち上がったと伺いましたが、報道機関ではよくあることなのでしょうか。「ビジュアライズするべき」という判断でチームが立ち上がるのですか。&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;弊社の実情しか存じ上げないのですが、少なくともこのときは、社内で&lt;strong&gt;部を横断した OSINT のチーム&lt;/strong&gt;が立ち上がっていて、そこで部を超えたコミュニケーションがまずあった。そのチームがオープンソースから分かることや、ガザの戦争がどうなっているかといった定点観測をいろいろなところでしていて、それをウォッチしていた有志たちが集まって立ち上げた、という感じです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;「ビジュアライズすべき」という判断は、トップダウンのこともありますし、今回はボトムアップ型でした。どちらもあります、という感じになってしまいますが。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;2-海外メディアの航空機事故報道を追う&#34;&gt;2. 海外メディアの航空機事故報道を追う
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;ここからは、海外メディアが大きな航空機事故をどのように報道するのかを事例としてまとめてきました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2024年、2025年と大きな航空機事故がありすぎました。昨年末に韓国でバードストライクが主な要因とされる墜落事故、今年1月にワシントンでジェット機と米軍ヘリが空中衝突する事故、今年6月にインドで航空機が墜落して241名の方が亡くなるという大きな事故が相次ぎました。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;ロイター--速さとテーマ設定のうまさ&#34;&gt;ロイター ― 速さとテーマ設定のうまさ
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;ロイターばかりになってしまいますが、とにかく速くて、ビジュアルなまとめ方がうまい。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;韓国の事故では、翌日には事故の概要をまとめたものを出しています。「こういう機体がまず落ちて、生存者はここに座っていて」という話と、鳥の寝ぐらはどこにあって、どういう飛行経路で、といったことをまとめる。&lt;strong&gt;Flightradar24 と Google Earth、プラネットなどの衛星画像を使う&lt;/strong&gt;のが、もう定石のような勢いで出てきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして1か月後くらいに、バードストライク（野生動物と航空機が衝突することの総称）とはどういうものなのかを、データとビジュアルを使いながら解説するコンテンツを出しています。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;航空機のフライトの数を線の量で示し、それが野生動物と衝突する可能性を示す&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;バードストライク自体が生命を脅かすような事故につながることは9割方ない、というのをデータビジュアルで表現。一部は機体の損傷につながる&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;バードストライクはどのタイミングで起きることが多いか（着陸・離陸、アプローチという段階で最も多い）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;過去の例を見ると、野生動物との衝突がどれほど命を落とす事故になったかを、歴史的な事例で可視化（円の大きさが死者数）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;どこに衝突することが多いか&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;p&gt;ロイターは絵がとにかくうまくて、どういう野生動物にぶつかることが多いかをひたすらイラストで描いてまとめていたりします。データビジュアルで言うと、夏の時期に多いといったことも。多岐にわたる角度からバードストライクを捉えている。1か月後くらいに出しているのですが、&lt;strong&gt;その事故自体がどういうテーマ・軸なのかをキャッチして、コンテンツの軸を作っているのがすごくうまい&lt;/strong&gt;なと思いました。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;ワシントン空中衝突--ヘリコプターからの視点の再現&#34;&gt;ワシントン空中衝突 ― 「ヘリコプターからの視点」の再現
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;今年1月にワシントン上空で起きた、ジェット機とヘリコプターの衝突事故です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ここ数年で、このビジュアルの作り方が初段の報道に出てくるようになったなという印象があります。Google Earth Studio に Flightradar24 の航空機データおよび ADS-B のデータを使ってプロットし、デザインツールでグラフィックスとしての見た目を整えて、「とりあえずこういう状況だった」というのをビジュアルで初報的に出す。これが結構決まったパターンになってきたかなという印象です。このときは、上空の衛星画像から事故発生までの2分間の流れを追うというものを、ほぼライブ更新的に作っていました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ポイントはここからです。&lt;strong&gt;ニューヨーク・タイムズが1週間後に、ヘリコプター側からの視点を再現したコンテンツを作りました&lt;/strong&gt;。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;衝突の瞬間の映像があり、「このヘリコプターは一体何を見ていたのか、どういう見え方をしていたのか」を、オープンソースのデータから3D空間上に再現する。これを見ると、上空から見るといくつも航空機が飛んでいるのが、ヘリコプターの視点から見ると&lt;strong&gt;かなり密集して見える&lt;/strong&gt;ということが可視化されています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さらに、パイロットは夜間に暗視ゴーグルをつける。光が増幅されて視認しやすくなるのですが、その特性からすると夜間の街の明かりに溶け込んで、陸が近い場面では逆に見えづらいこともある――といったことも解説しています。これが&lt;strong&gt;1週間後ぐらいのペース&lt;/strong&gt;で作られるというスピード感です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さらに数週間後、ワシントン・ポストが出した例。考え方としては同じくオープンデータからヘリコプターの視点を再現するものですが、その作りがすごい。フルスクリーンでコンテンツを作っていて、見え方に没入感がある。同様に、複数の航空機が密集している様子を可視化しています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ワシントン・ポストの書き方では「ヘリコプターのパイロットは別の航空機と見間違えた可能性があることが分かった」というくらいの表現です。ポイントは、&lt;strong&gt;単なるイメージ映像として作っているのではない&lt;/strong&gt;こと。OpenStreetMap、航空データ各種、通信の記録に加えて、この飛行経路を何度も飛んだことがあるパイロットにインタビューするなど、裏付けも作りながらこれほどの再現コンテンツを作る。その力の入れようが、すごいところまで来ているなという感じがしました。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;インド航空機墜落--安全な座席はない&#34;&gt;インド航空機墜落 ― 「安全な座席はない」
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;6月に起きたインドでの墜落事故です。こちらも初報的なものは似た印象で、箱庭的に空から見下ろして、どのような経路で飛んでいってどこでクラッシュしたかを作っています。車輪がしまわれていなかった、翼のフラップがうまく動いていなかったのではないか、など事故直後はいろいろな情報がありましたが、1〜2日後には「その時点で分かる限りのこと」を可視化して伝えていました。&lt;strong&gt;この手のものは大体1〜2日で出るようになってきた&lt;/strong&gt;という、可視化報道の速度感です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;2か月後くらいに、この事故のポイントの1つとして――242名が搭乗していて、唯一1人だけ飛行機から飛び降りて奇跡的に助かった方がいた。そこで「生存者がいた航空機事故が起きた場合、航空券の中で一番安全な座席はどこなのか」が毎回話題になる。ロイターは、データから「生き残れる席」「絶望的な事故が起こった場合の生き残れる確率」を見てみるというコンテンツを作っていました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;今年のインドの事故は生存率としては最低でした。ビースウォーム的なチャートで、生存者が1人でもいた場合の生存率をプロットしていて、エア・インディアの事故が一番左（割合が低い方）に来ている。242名中1名なので&lt;strong&gt;0.4%の生存率&lt;/strong&gt;。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;結論として「&lt;strong&gt;安全な席はない&lt;/strong&gt;」ということをデータから追っています。生存者がどこに座っていたのかを分かる限りプロットしていて、コックピット側、フロントセクション、中央席、後部セクションと、ざっと見る限りいろいろなところに生存者がいる。当たり前と言えば当たり前ですが、ひいては「安全な座席はない」ということの表現になっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そして50年にわたる航空機事故の生存者数を追ってプロットしたものが、なかなか見応えがあります。オレンジの1粒がエア・インディアの事故で助かった男性。タイムラインに沿って「これくらいの事故があって、これくらい生存して」というのをとにかくプロットしている。50年分追っていくと、50年前に近づくにつれてだんだん塊の数が大きくなってくる。&lt;strong&gt;今の航空機事故は減っている&lt;/strong&gt;ということの表れかもしれません。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;可視化報道の型&#34;&gt;可視化報道の「型」
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;バードストライクの件もそうですが、事故直後に「どういう事故状況だったのか」が報道された後、一拍置いて「その事故のコアになるテーマは何なのか」を定めて可視化する。そういう一段目・二段目があるかなという感じがしていました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まとめると、最近の航空機事故の可視化の流れはこうです。&lt;/p&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;即時&lt;/strong&gt;：Google Earth Studio と Flightradar24 で事故状況を箱庭的に可視化する。すぐ作れるので、とにかく出す&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;1週間程度&lt;/strong&gt;：手に入るオープンデータから分かる事実を掘り起こしてまとめる&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;数か月後&lt;/strong&gt;：視野を広げて「この事故が意味するものとは」あるいは事故にまつわるテーマを広げたストーリー展開&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;p&gt;ほかにも、乱気流の影響で緊急着陸があった件（5月）や、インド・パキスタンの緊張によってパキスタン上空を飛べなくなり、路線が迂回する飛び方をしなければならなくなったことが飛行経路のデータから明らかに可視化できる、といった例もあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;最後に弊社の事例に寄せると、日航機ジャンボが40年前に墜落して520名の方が命を落とすという世界最悪の事故がありました。節目のコンテンツが読売さんでも朝日さんでも出ていました。現代と違うのは、&lt;strong&gt;データがリアルタイムのものではなく、過去の書類や発表資料に頼らざるを得ない&lt;/strong&gt;こと。今のリコンストラクションとはまた別の難しさがあります。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;質疑応答&#34;&gt;質疑応答
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;Q. シニアデザイナーの方はアートディレクター的にプロジェクトの品質を保証するほか、「早く出したいがここまでできないと出せない」といったディレクション、コンテンツを出す・出さないの意思決定にも関わるのでしょうか。&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;基本的に、商品としてクオリティを保てない限り、いい加減なものを出すわけにはいかない。リポーター側の「ここまでは言えるが、これ以上は言えない」という感覚、あるいはクリエイティブの領域で「これ以上の実装は難しいぞ」という判断。&lt;strong&gt;「やるかどうか、いつ出すか、どこまでやるか」は基本的に平場で、リポーターとデザイナーとエンジニアが対等に話す&lt;/strong&gt;のが定着してきたかなという感じはあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;Q. JAL の事故報道で、お正月に Slack で自然にチームが集まってきた。これは相当チームの人間関係や普段の空気感があってこそなのでは。&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;私も現場にいた身なのであれですが、やはり「何かせねばならぬ」という人たちが正月休みであれ集まってきたなというのがあります。そこまでのプロセスで、先ほど話した横断的な OSINT チームがあった。&lt;strong&gt;記者・エディターとデザイナー・エンジニアが結構ざっくばらんに話すようになって、しばらく経つ&lt;/strong&gt;という感じがあります。過去のコンテンツのキックオフから完成まで、本当に二人三脚、何人何脚で手を取り合って作ることが円滑になったなという感じがあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（矢崎：記者・デザイナー・エンジニアそれぞれの職能がありつつ、少しお互いカバーし合う、乗り越え合う側面もあるのですか。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まさにそうです。報道機関にいる以上、デザイナーもやっぱり新聞を読んでいた方がいいに決まっているし、エンジニアもまた然り。最近その組織で始めているのは、&lt;strong&gt;デザイナーもエンジニアも取材に同席する、取材に行く&lt;/strong&gt;ということ。それによってドメイン知識、ベースとなる報道の知識を前提として分かった上で作っていくプロセスの方が、コミュニケーションの質や最終的な成果物のクオリティに直結する。デザイナーにせよリポーターにせよエンジニアにせよ、&lt;strong&gt;少しずつ領域をまたいでいく&lt;/strong&gt;のがものすごく大切ですね。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;Q. 日経が日本のマスコミの中で図抜けてデータビジュアライゼーションがうまいと思うのですが、何か戦略的に社内でやっていることはあるのですか。&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ありがとうございます、大変誉れなお言葉で。戦略的に、というと――先ほど少し申し上げたように、ビジュアルコンテンツを出して10年経ったという&lt;strong&gt;やり続けること&lt;/strong&gt;もそうですし、やり続ければ社内でも「ちょっとビジュアルコンテンツを作って」と頼っていただけるような関係ができてきた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;戦略的にやっていることの1つとしては、私が所属するグループを&lt;strong&gt;3チームに分ける&lt;/strong&gt;ということを、ここ1年ほどやっています。ビジュアル・ストーリーテリング（エクスプレイナリーなもの）、ツール的なもの（エクスプローラーなもの）、そして&lt;strong&gt;ビジュアル・インベスティゲーション&lt;/strong&gt;（オープンソースを使い、視覚的な証拠で事実を掘り起こす）。組織が大きくなってきたので、その中で少しずつスペシャライズさせていく動きが最近のものです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;Q. 今日は事故後に検証するコンテンツが多かったですが、災害では事前（ハザードマップ的なもの）や災害の最中に役立つものという観点もあるかと思います。報道機関の役割としてどうお考えですか。&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;直接ビジュアルコンテンツに関わることと少しずれるかもしれませんが、やはり&lt;strong&gt;フェイクがすごく流れるようになりました&lt;/strong&gt;。戦地におけるプロパガンダの画像が AI で簡単に作れてバズってしまう。事故が発生したときに「車が流されている映像」がバズっていて、それは過去の報道のものだった――というのは、もうありふれた光景になりつつある。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;自戒の念を込めて、やはりいい加減なことを言うわけにはいかない。ビジュアルが簡単に作られるようになりつつある時代だからこそ、&lt;strong&gt;真偽をちゃんと確かめてお届けしないといけない&lt;/strong&gt;なというのはありますね。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;（矢崎：海外では NPO が SNS の写真・動画を1つ1つ検証して、本物だけをアーカイブしている。それが裁判や戦争犯罪の証拠になったりする。報道機関がそこまでやろうとすると手に余るのでは。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その手の話で言うと、やはり&lt;strong&gt;画像・写真がどこから来たものであるかを追える必要&lt;/strong&gt;が出てきています。写真自体に、どこで発生してどこでどういう加工がされて今ここにあるのか、という付随情報をブロックチェーンで作る仕組みを開発している動きもあります。&lt;strong&gt;誰がこの画像の真偽を証明するのか&lt;/strong&gt;。本当に大事ですよね。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;Q. プロフィールに「編集とデザイン・エンジニアリングを融合した新たなニュース体を目指す」とありますが、個人として今後実現していきたいことは。&lt;/strong&gt;&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;デザインとエンジニアリングとジャーナリズムを混ぜ合わせていくと、いいものができるという実感があります。デザインとエンジニアリングはしばらくやってきたので、&lt;strong&gt;もうちょっと自分がジャーナリズムを学んで、どういうときにどういう報道を出すのがベストなのか、自分自身が報道の判断をできるようになれるといいな&lt;/strong&gt;という感じです。個人的にもニュースを打ったり、いろいろビジュアルコンテンツの出し方を試したり。せっかく報道機関にいるので、ジャーナリズムの領域にどんどん踏み込んでいきたいなというのがあります。&lt;/p&gt;</description>
        </item>
        <item>
        <title>熊田 安伸／2022年のキーワードは「OSINT」 オープンデータとジャーナリズムの新潮流を総括する</title>
        <link>https://data-visualization.jp/osint-2022/</link>
        <pubDate>Tue, 27 Dec 2022 00:00:00 +0000</pubDate>
        
        <guid>https://data-visualization.jp/osint-2022/</guid>
        <description>&lt;p&gt;Data Visualization Japan Meetup 2022（2022年12月27・28日開催）における、熊田 安伸さん（スローニュース シニアコンテンツプロデューサー）の講演です。OSINT（Open Source Intelligence）がジャーナリズムのトレンドワードとなった2022年を総括し、国内外でどんな手法やデータが使われたのかを余すところなく紹介します。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
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&lt;p&gt;&lt;a class=&#34;link&#34; href=&#34;https://speakerdeck.com/datavisualizationjapan/2022nian-nokiwadoha-osint-opundetatoziyanarizumunoxin-chao-liu-wozong-gua-suru&#34;  target=&#34;_blank&#34; rel=&#34;noopener&#34;
    &gt;スライド&lt;/a&gt;&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;自己紹介&#34;&gt;自己紹介
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;もともとNHKの記者です。経済事件が中心で、災害の前線報道などもやってきました。NHKがデジタル化するための「ネットワーク報道部」という新しい部署を設立して、政治マガジンやNHK取材ノートなどをやってきまして、昨年夏にスマートニュースの子会社で調査報道・ノンフィクションに特化したスローニュースというメディアに移籍しました。NHK時代からずっと、いろいろなメディアの会社で「オープンデータをいかに報道に使うか」という講座なども開いています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;本日のお題&#34;&gt;本日のお題
&lt;/h2&gt;&lt;ol&gt;
&lt;li&gt;OSINT の話（他所でも話しているので聞いたことがある方もいるかもしれません）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;2022年、世界の優れたデータジャーナリズムを一挙紹介&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;日本のデータビジュアライズ報道の一挙紹介と考察&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;p&gt;最後にちょっとおまけもつけたいと思っています。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;osint-とは--実は古い言葉&#34;&gt;OSINT とは ― 実は古い言葉
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;今年はやはり、OSINT にとって新しい時代が来たなという感触がありました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;OSINT（Open Source Intelligence）は、実は古い言葉です。もともとは CIA のような情報機関が、相手国のことをオープンデータから調べるというものでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;インテリジェンスは今でもどこでもやっていることで、日本でも例えば国税当局は、芸能人の自宅を紹介するテレビ番組があれば全部録画しておいて、そこに映る家具・車・時計を全部金額で弾いて「こいつの所得から買えるはずがない、脱税しているんじゃないか」と調べたりする。オープンソースから徹底的に物事を調べる、スパイ活動に近いことがインテリジェンスと呼ばれる言葉でした。だから、OSINT という言葉を嫌がるジャーナリストもいます。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;謎の調査集団-bellingcat&#34;&gt;謎の調査集団 Bellingcat
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;最も話題になったのが Bellingcat です。拠点はオランダにあって、世界中の人たちがオンラインでつながって一緒に調べている。すごいことをやっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;代表作の1つが、今年日本でも上映されたドキュメンタリー映画です。プーチンが恐れた野党指導者を、ロシアが暗殺しようとした――その未遂に終わった事件で、ロシアのエージェントたちがどういう手口で殺そうとしたのかを全部割り出してしまう。それがリアルの映像に収められているので、びっくりする映画です。関心のある方はぜひご覧ください。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;彼らの記事は、私のところのスローニュースで独占契約していて、翻訳記事を今は無料で読めるようにしています。ウクライナ侵攻では、ロシアが人道的に非常によろしくないクラスター爆弾を最初に使っているのではないか、といち早く報じて世界中で話題になりました。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;bellingcat-の手法--geoint&#34;&gt;Bellingcat の手法 ― GEOINT
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;彼らが使う主たる手法が &lt;strong&gt;GEOINT&lt;/strong&gt;（Geospatial Intelligence、地理空間情報）です。それを使って、そこで何が起きたのかを明らかにしていく。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;先月出た記事が、Bellingcat の手法の教科書のように詰まったものでした。アゼルバイジャン兵がアルメニア人捕虜を不法に処刑してしまっているのではないか、という映像が SNS 上に上がった。それが本物かどうかを検証する記事です。&lt;/p&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;Google Earth Pro&lt;/strong&gt; — 映像のごくわずかな地形から場所を推定&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;Planet Labs&lt;/strong&gt; — アメリカの衛星映像ベンチャー。軌道上に多数の衛星を打ち上げて情報を提供している。それと重ね合わせて、人為的な動きや火災・戦闘の痕跡を次々に見ていく&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;PeakVisor&lt;/strong&gt; — 山頂の画像をもとに「この山頂の形はどの山か」を特定する無料ツール。位置をさらに裏付ける。太陽の軌跡を表示する機能もあるので、「何日の何時何分に違いない」と絞り込める&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;FIRMS&lt;/strong&gt;（NASA提供）— ほぼリアルタイムで世界中のどこで火災が起きたかの位置データを提供。赤外線をキャッチするので、火災以外にも火山の噴火、大爆発、戦争でミサイルが落ちているといったことも熱で分かる。アメリカとカナダはリアルタイム、他の地域も3時間ほどでキャッチできる。日本のメディアでも、日経がウクライナ侵攻1週間後に「住宅地に砲撃が撃ち込まれている」ことを熱源で表現する取材に使っていました&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;Camopedia&lt;/strong&gt; — 軍事迷彩のデータベース。映り込んでいる兵士の軍服の迷彩模様から、どこの誰かが分かる。この模様はトルコ由来の2種類で、アゼルバイジャン軍の典型的な模様だと分かる&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;p&gt;こうして「これはやはり事実なのではないか」と言えるようになっていく。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;bellingcat-はビジュアルには力を入れていない&#34;&gt;Bellingcat はビジュアルには力を入れていない
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;一方で、Bellingcat はかっこいいビジュアルにはそれほど力を入れていません。せいぜい、最近流行りのスクロリーテリングに似たものが少しある程度で、画像が普通に出てくるという感じです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;対照的に、Bellingcat の影響を受けたニューヨーク・タイムズは &lt;strong&gt;Visual Investigations&lt;/strong&gt; というチームを作りました。ここは動画で、ビジュアルにものすごく力を入れています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;それから、これは矢崎さんに教えてもらったのですが、台湾の学生で軍事マニアの方がいて、オープンデータの論文やネットの公開資料をもとに、中国のどこに人民解放軍の基地や施設があるのかを全部 Google マップにマッピングしてオープンデータにしてしまった。中国にとって非常に都合が悪いでしょう、ということを一人の大学生がやってしまった。&lt;strong&gt;それくらい OSINT は誰でもできる&lt;/strong&gt;ということですね。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;2022年世界の優れたデータジャーナリズム&#34;&gt;2022年、世界の優れたデータジャーナリズム
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;ここからは、GIJN（Global Investigative Journalism Network）にも認められたようなものを紹介していきます。データジャーナリズムとして優れているという意味で、ビジュアル化として優れているわけではないものも含まれる点はご了承ください。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;シンプルな表現&#34;&gt;シンプルな表現
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;ウクライナのメディア&lt;/strong&gt;：オープンソースから、ヨーロッパ全域にロシアを支援する人々がどれくらいいるのかを可視化する報道。国ごと、分野ごと（政治の右派・左派、メディアなど）に切り替えて見られるようになっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;ProPublica&lt;/strong&gt;：Web のみでやっている調査報道NPO。原子力規制委員会のオープンデータをもとに、アメリカのウラン工場や関連処理施設の跡地――浄化作業をしても地下水が汚染されている――がどうなっているのかをマッピングして可視化。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;スペインのメディア&lt;/strong&gt;：帝王切開が非常に多く、4人に1人が帝王切開だという。情報公開請求で（当初は開示拒否されたものの粘って）病院ごとのデータを手に入れ、病院によっては必要以上に実施している疑惑を可視化した報道。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;スクロリーテリングの好例&#34;&gt;スクロリーテリングの好例
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;ワシントン・ポスト&lt;/strong&gt;：国勢調査の記録と歴史的資料をもとに、アメリカの議会議員たちが奴隷をどのように所有していたかというデータベースを初めて作成。昔の議会の映像に「このうちこれだけの人たちが奴隷を所有していた」という表現を重ね、南北戦争、修正第13条と時代が進むにつれてグラフが減っていく――でもまだいる、という展開を見せます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;ニューヨーク・タイムズ「ハイチの失われた数十億」&lt;/strong&gt;：ハイチがフランスから独立する際、条件としてお金を要求された。古い歴史的資料や台帳、銀行取引の資料から明らかにしていく記事です。表現は実にシンプルで、「彼らは現在のドルで5億6000万ドルを支払ったが、もしそれがハイチに残って役立てられていたら210億ドルになっていたはず」といった話を、シンプルな図で示していく。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;ガーディアン「イギリスの水の利権を握っているのは誰だ」&lt;/strong&gt;：イギリスには民間の水道会社が15社ありますが、財務レポートをもとに株主を追跡すると、イギリスの水は世界のいろいろなファンドや億万長者に握られている。国家的にやばいのではないか、という報道です。表現としては、スクロールでぐりぐり動きすぎて酔いそうになるくらいで、これがいい表現なのかどうかは議論があるところだと思いますが、報道としては非常にいいものだと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;女性に関するニュースの見出し分析&lt;/strong&gt;：アメリカ・イギリス・インド・南アフリカの英文メディアで、女性を中心としたニュースの見出しにどんな言葉が使われ、どう変化したかを可視化。「訴える」という言葉はアメリカが最も高い、「黒人」はどの国も高い、イスラム教徒に関する言葉はアメリカで極端に少なく南アフリカではなくなり、インドでは高い……といったことが見えてきます。犯罪・暴力、ジェンダー関連、女性のステレオタイプなど、カテゴリごとにも見られる。最後はメディアごとにスコア化して、バイアス指数として可視化しています。&lt;/p&gt;
&lt;blockquote&gt;
&lt;p&gt;【余談】アメリカには &lt;strong&gt;Media Bias Chart&lt;/strong&gt; という有名なものがあり、メディアリテラシーの授業で教材として使われています。縦軸が信頼性の高さ、横軸が右派・左派。極端に右・左に寄るところは信頼性も低く、中間的なメディアに信頼性が高いところが多い――&lt;strong&gt;山形になる&lt;/strong&gt;というのが見えてきて面白いです。&lt;/p&gt;&lt;/blockquote&gt;
&lt;h3 id=&#34;3dマッピングと原点回帰&#34;&gt;3Dマッピングと、原点回帰
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;ドイツのメディア「住めなくなる地球」&lt;/strong&gt;：気候変動に関する報告書をもとに、今世紀末までに生活が困難・不可能になる場所を3Dの球体上に可視化。データセットを自分で選ぶと視覚効果が変わります（後で紹介する日経のものと比べると面白いです）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;Vox&lt;/strong&gt;：アメリカの保守とリベラルの間のワクチン接種格差を、シンプルかつ独創的な方法で説明する動画。原点に返るビジュアルという感じで、これは面白いです。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;日本のデータビジュアライズ報道--発見のビジュアル&#34;&gt;日本のデータビジュアライズ報道 ― 「発見」のビジュアル
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;ここからは、日本でも OSINT 以来のデータビジュアライズが非常に厚かった1年、ということで紹介していきます。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;まずは&lt;strong&gt;発見&lt;/strong&gt;です。ビジュアルにすると発見がある。報道は何かを発見することが非常に大事で、発見できれば調査報道になりますから、これが一番大事だと思います。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;朝日新聞「見えない交差点」&lt;/strong&gt;：何が素晴らしいかというと、もともと警察庁が公開しているデータをマッピングしただけ、とも言える。でもそうすると、信号機がない小さな交差点での事故が実は多い、名前のない交差点は注目されていない、という発見がある。社会のためになりますし、「自分が住んでいるところは大丈夫かな」と&lt;strong&gt;我が事化&lt;/strong&gt;できる、非常に良いビジュアライズです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;秋田魁新報&lt;/strong&gt;：同じ警察庁のデータを使って秋田だけのマップを作る。「意味がないじゃん」と思う人がいるかもしれませんが、そんなことはない。秋田ならではの視点で、秋冬の事故が春夏の2倍、日没が早まる時間帯に集中している、といったことが分かる。&lt;strong&gt;地元ならではの視点で危なさが見えてくる&lt;/strong&gt;。同じ記者が、ふるさと納税のデータ（総務省の現況調査）をマッピングして、北海道の端や九州の端、日本海側のベルトに集中していることを見せた例もあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;朝日新聞&lt;/strong&gt;：国勢調査のデータを23区の町丁目単位で細かく高齢化率の推移としてマッピング。東京23区内にもかかわらず&lt;strong&gt;小さな限界集落のようなものが存在している&lt;/strong&gt;ことが浮かび上がる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;日経新聞&lt;/strong&gt;：船舶の位置情報（AIS）のオープンデータから独自の指数を作成し、対ロシア制裁が骨抜きになっていることを明らかにした報道。裏ルートで石油が経由して流れていることを明らかにしました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;NHKスペシャル「追跡 謎の中国船」&lt;/strong&gt;：これは白眉だったと思います。中国の世界規模での海洋戦力を明らかにしたもの。もともと2019年に、私が編集をやっていた媒体で新潟の若い記者とディレクターが書いた記事が元になっていて、その時は MarineTraffic を使っていました。その後何年も取材して、当時は日本海側の動きだけだったものが、世界中の動きを調べたらものすごいことが分かった。ビジュアライズすることで中国の世界戦略がいろいろ見えてくる、素晴らしい発見のあるものでした。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;私が今年いちばん好きだった報道&#34;&gt;私が今年いちばん好きだった報道
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;実は私が今年いちばん好きだったのは、NHKの非常に地味な報道です。埋もれかけた踏切事故、A4で2枚の報告書を精査する記事。正直、ビジュアルな記事ではありません。でも状況を絵で説明していて、その絵を見ると「あ、すごいことだ」と分かる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ネタバレになるので詳しくは見せませんが、読んでもらうと分かります。&lt;strong&gt;報道にはストーリーがいかに重要か&lt;/strong&gt;を強く感じた記事です。正直、私は不覚にも泣いてしまいました。「そういうことが起きているのか、僕らはそういうことに気をつけなきゃいけないんだ」と非常に感動した記事なので、興味のある方はぜひ読んでみてください。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;検証のビジュアル&#34;&gt;「検証」のビジュアル
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;発見まではいかないけれど、「こういうことなんじゃないの」という想定を検証してみると見えてくるものがある、という例です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;NHK「インフラ老朽化」報道&lt;/strong&gt;：全国道路施設点検データベースと情報公開を組み合わせて、全国規模で可視化。予測通りひどい、という話なのですが、若干の発見もあります。例えば新潟がなぜ真っ赤なのか。新潟は農業県で水路が多い。水路を作れば橋を架けなければならず、橋がたくさんあるので補修も多い。しかも豪雪地帯で除雪が必要で、融雪剤には塩が混じっているから橋が錆びる――という独特のつながりがある。（新潟にいた人間はみんな知っている話で、私も平成16年に新潟でデスクをしていた頃からよく知っていました。自転車もすぐ錆びますから。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;朝日新聞「ひったくり」&lt;/strong&gt;：大阪府警のオープンデータで1万2000件のひったくりを Tableau で可視化。防犯カメラの普及で減ったかな、夕方に多いね、というくらいで発見には至りませんでしたが、頑張ってみたという感じです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;朝日新聞の記者による分析&lt;/strong&gt;：旧統一教会は参院選で特定議員の得票を本当に増やしたのか。教会の立地と入会前後の得票増加率を統計学的に分析して可視化した報道です。実は朝日の本紙紙面には結論しか載っておらず、記者が個人の note に図表を含めて詳述している。&lt;strong&gt;個人の note で説明を補足する&lt;/strong&gt;というのが、なかなか今風だと思いました。同じ記者は「選挙の夜のはかない予測」として、開票の早い段階で統計モデルから最終得票を予測する試みも定期的に出しています（ワシントン・ポストのモデルを使ったところ、日本では精度が全然違ったそうです）。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;今年いちばん笑った、ある意味で本当にいいと思ったもの&lt;/strong&gt;：ジャーナリストでも何でもない方が、夫の背中を借りて「日焼け止めはどれが本当に効くのか」を実験してみたというもの。日焼け止めを塗って4時間焼いてどうなったか。&lt;strong&gt;これこそまさに可視化のジャーナリズムだな&lt;/strong&gt;と、逆に非常に思いました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;現代ビジネス&lt;/strong&gt;：可視化も何もない、ただのシンプルなグラフですが内容が面白い。政府が省エネのために提唱する室温28℃は本当にいいのか。実は不快です、と。実際に姫路市役所で25℃の冷房を1か月続けたら、光熱費は7万円増えたが、残業時間が平均2.9時間減ったせいで&lt;strong&gt;人件費が40%も減った&lt;/strong&gt;。冷房をどうするかではなく、実質的なところを見るべきだという、検証として非常に面白い例です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;SNS分析&lt;/strong&gt;：ある楽曲の主題歌起用が「炎上した」という報道がいくつかのこたつ記事で出た。では本当なのか。こうした炎上には実態がない場合もありますが、追悼……ではなく投稿をクラスター分析すると、実際にクラスターは存在した。ただしごく少数で、&lt;strong&gt;それを「批判が殺到」と取り上げてアクセスを稼ぐメディアはどうなのか&lt;/strong&gt;という問題提起でもありました。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;スポーツ紙の調査報道&#34;&gt;スポーツ紙の調査報道
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;日刊スポーツ&lt;/strong&gt;：でかでかと「調査報道」と書いてあって何かと思って見たら、毎年の本塁打数・試合数・投手の防御率を並べただけ。でも並べてみると、防御率が急に高くなったり低くなったり、本塁打が上がったり下がったりするのが、試合数の増減や使っている球の影響だと一目瞭然で分かってくる。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;スポーツ報知&lt;/strong&gt;：大谷翔平がストライクと言われた球のうち、15%は確実にボールではないか、という記事。MLB の公式データサイトからデータを算出してグラフで可視化し、実際に16.3%は大谷が見逃した通りボールだったという分析。記者が R を使った分析方法も記事の下部で詳述しているので、面白いです。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;お金のデータの検証は難しい&#34;&gt;お金のデータの検証は難しい
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;オープンデータに「行政事業レビューシート」があり、国の予算や事業が一発で見えます。これをもとに、コロナ予算がどう使われたか、何が問題かを可視化しようというのが NHKスペシャルとその特設サイトでした。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ただ、この手のものはなかなか「我が事化」しにくい。「あなたにコロナ予算はいくら使われたのか」という設問に答えていく仕掛けもあるのですが、設問が毎回違ったり、省庁や政策ごとに見るグラフはあっても「グラフを動かしてみる」「自分の視点をシェアする」まで到達した人がどれだけいるのか。ハードルが高いなと思いました。5回シリーズの3回目以降がずっと「公開予定」のままなのも、少し心配しています。&lt;/p&gt;
&lt;blockquote&gt;
&lt;p&gt;これに使われたのが「ジャジ」というサイトで、実はこのイベントを主催する矢崎さん自身が開発に関わったものです。キーワードを入れるだけでいろいろなことが分かる。ある報道NPOはこれを使って、「復興予算を防衛費に流用するな」という議論が出ていた時期に、&lt;strong&gt;実はとっくに1270億円がすでに投入されている&lt;/strong&gt;という記事を出していました。&lt;/p&gt;&lt;/blockquote&gt;
&lt;h2 id=&#34;記録のビジュアル&#34;&gt;「記録」のビジュアル
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;報道の役割の1つには、歴史的な何かを残すこともあります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;読売新聞&lt;/strong&gt;：ウクライナの被害を3Dのデジタル地図で可視化。「ロシア軍を食い止めるために破壊された橋」を選ぶと、実際の写真と地図、そして3Dモデルが出てきて、ぐりぐり動かせる。橋には命を落とした人たちの名前が記録されていることまで読み取れる。現場に行って読むことはできないけれど、この表現を使えば読み手が現地の人たちの思いを見て取れるサイトになっています。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;これは東大の渡邉先生と一緒にやったもので、渡邉先生と GEOINT の活動をしている青山学院大学の古橋先生が GitHub で GEOINT に使えるデータを公開しています。非常にありがたいので、使いたい方はぜひ。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;日経新聞&lt;/strong&gt;：マリウポリの激戦がどのようなものだったかをスクロリーテリングで見られるようにしたもの。ミャンマーのクーデター1年のタイミングでは、武力紛争データプロジェクトのデータで紛争・衝突をマッピングした上で、過去の衛星画像と比較すると&lt;strong&gt;村ごと消失している&lt;/strong&gt;ことが見て取れる報道も。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;日経新聞「3Dで学ぶ宇宙」&lt;/strong&gt;：地球を覆う小型衛星3万機。ロケットのサイズが小さくなり、エンジン性能も上がって、クレジットカード大のもので撮影できたりする。1965年からだんだん衛星が増えて、今や軌道上に9060機。将来のスペースデブリは大変ですね、という記事です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;朝日新聞「アーバンベア 動くクママップ」&lt;/strong&gt;：クマの出没場所を年代ごとに見えるようにしたもの。黄色が人口メッシュで、クマの色が重なっていく。凶暴なクマのはずですが、なんとなく可愛く見えてしまう。すぐ役に立つわけではないかもしれませんが、非常に面白い表現です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;NHKアナウンサーの note「ヘビーメタルの歴史」&lt;/strong&gt;：ヘビーメタルの歴史を超概略で可視化したもの。昨日、三中先生が系統樹の話をされていましたが、そのおしゃれ版なのかなと。ファンに刺さってバズりました。「ブラックメタルはこういう流れなのか」と分かります。（分類と系統の話は、時間があれば――実はあれをちゃんとやると大スクープにつながる話をしたいのですが。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;ヤクザ取材のライターによる図&lt;/strong&gt;：沖縄のヤクザの抗争と組織の歴史を、Twitter に上げるためだけに3時間もかけて手書きで書いた、というもの。「俺は一体何をやっているのか」とご本人が書いていて非常に面白い。私も1990年代のこのあたりの抗争を取材したので、これがいかに素晴らしいビジュアルか、よく分かります。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;災害のビジュアル&#34;&gt;災害のビジュアル
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;日経の若いエンジニアによる「都市と気候危機」&lt;/strong&gt;：複数の都市で爆弾低気圧がどんな影響を与えるかを、スクロリーテリングで見せる。見た目もかっこよく、分かりやすく、面白い。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;日経「東京圏の海面上昇」&lt;/strong&gt;：温暖化で海面が上がるとどうなるか。縦軸が人口の多さで、1m・3m・7m と見せていく。江東区はこんなひどいことになってしまう、と。世界の各都市で水面が上昇するとどれくらい影響が出るかも見られる。&lt;strong&gt;先ほどのドイツのものより、こちらの方がかっこいいかもしれない&lt;/strong&gt;と実は思いました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;NHK「急増 津波浸水域の高齢者数」&lt;/strong&gt;：国土交通省の津波浸水想定と、高齢者住宅など福祉施設のデータベースを重ね合わせたもの。「うちのおばあちゃんがいるところは大丈夫か」と我が事化できる、非常に役に立つ報道です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;秋田魁新報&lt;/strong&gt;：過去の浸水データを検索し、秋田ではどうなのかを分析。地方で QGIS を普通の記者が普段使いできるという動きが、だんだん広まってきています。鹿児島でも、使ったことがなかった若い記者が「最大規模の雨が降ると避難所が危ない」という報道をしていました。&lt;/p&gt;
&lt;h3 id=&#34;画期的だった報道--人の流れから被災地を見つける&#34;&gt;画期的だった報道 ― 人の流れから被災地を見つける
&lt;/h3&gt;&lt;p&gt;災害時のマッピングは非常に大事です。西日本豪雨のとき、広島では少し前に安佐北区の土砂災害があったので、みんな北の方に注目してしまった。ところが救助要請がある場所をマッピングしていくと、全然違う南側――呉市に近い方が実は危ないと見えてきて、実際にそちらで死者がたくさん出た。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;災害の初期には、地震も大雨も「どこがやばいか」が分からない&lt;/strong&gt;。マッピングは大事なのに、行政もそのためのデータを十分には提供できていないのが実態です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;そんな中、NHKがつい最近こんな報道をしました。Yahoo! から提供された、個人識別できないよう処理・集計された携帯の位置情報ビッグデータをもとに機械学習し、&lt;strong&gt;平常時の人の流れと比べて異常値になっているところを検出する&lt;/strong&gt;。すると「ここが危ない場所だ」「渋滞が起きている」と分かってくる。さらにその周辺で検索されたワード（「通行止め」など）を見ると、何が起きているかが見えてくる。これは災害報道が変わります。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;実際、指定避難所は使えなくなってしまうことがあります。中越地震のとき、新潟の人たちはビニールハウスを自分たちで勝手に避難所にしてしまった。これは指定避難所ではないので行政の記録には出てこない――&lt;strong&gt;でも、そここそ取材すべきポイント&lt;/strong&gt;なんです。熊本地震では、Yahoo! 研究所の研究で、指定避難所ではなかった大規模施設に人々が集まっていることを検知できると分かった。それが面白いと思ってアプローチして始まった話です。避難所の実態や被災者の実数の解明にもつながるので、今後期待されるものだと思います。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;データベースとサービスジャーナリズム&#34;&gt;データベースとサービス・ジャーナリズム
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;今年は使えるデータベースがいろいろ生まれたので、一気に紹介します。&lt;/p&gt;
&lt;ul&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;NHK 全国ハザードマップ&lt;/strong&gt;（国交省の重ねるハザードマップが使いにくいので、ついに作ってしまった）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;秋田魁新報の記者による秋田の災害リスクマップ&lt;/strong&gt;&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;中日新聞の記者による津波危険度マップ&lt;/strong&gt;（QGIS を使ったことがなかった記者が作った）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;スマートニュース メディア研究所 国会議案データベース&lt;/strong&gt;（どんな議案が提案され、誰がどう賛成・反対しているかが全部分かる。GitHub 公開）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;みんなで調べよう交付金の使い道&lt;/strong&gt;（内閣府のポータルサイトから、地方創生の交付金がどこにどう出ているかを調べられる）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;主要商品の価格推移&lt;/strong&gt;（値上げの状況をビジュアル化して入手できる）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;国立国会図書館 NDL Ngram Viewer&lt;/strong&gt;（電子化された蔵書からキーワードを検索し、「モダンガール」という言葉が何年頃から本に出始めたのかといった分析ができる。非常に面白い）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;九州大学 3Dデジタル生物標本&lt;/strong&gt;（誰でも使える、素晴らしいデータ）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;日本動画協会 アニメ大全&lt;/strong&gt;（日本の全アニメの情報を網羅）&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;喋る選挙ポスター&lt;/strong&gt;（NHKの記者のアイデア。選挙ポスターにスマホをかざすと候補者の動画や詳しい情報が出てくる。素晴らしいアイデア）&lt;/li&gt;
&lt;/ul&gt;
&lt;blockquote&gt;
&lt;p&gt;【ひとこと】正直、&lt;strong&gt;ワードクラウドはそろそろ飽きました&lt;/strong&gt;。どのメディアも必ず党首演説で「どの言葉がどういう頻度で出た」とやりますが、だから何なのか。ちゃんとした分析につながっているか。「福島と言ったけれど、この人は原発再稼働に舵を切ったじゃないか」――逆に今こそ、そういう膨らませ方で使うべきではないかと思ったりします。&lt;/p&gt;&lt;/blockquote&gt;
&lt;h2 id=&#34;課題は持続可能性&#34;&gt;課題は持続可能性
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;&lt;strong&gt;オープンガバメント・パートナーシップ&lt;/strong&gt;：世界が共通フォーマットでオープンデータ化しようという取り組みが2011年から始まったのに、&lt;strong&gt;日本はいまだに不参加&lt;/strong&gt;です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;データカタログサイト&lt;/strong&gt;：各省庁を横断するデータカタログサイトを作ったものの、機能を果たしていませんでした。ついに今年デジタル庁に移管され、担当者に話を聞くと「今度こそ使えるようにする」とのことなので期待しましょう。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;オープンデータは諸刃の剣&lt;/strong&gt;：例えば破産者マップ。破産者のデータはオープンデータで、官報から取れるので非常に問題になりました。一方でジャーナリズムにとっては重要で、安倍元首相銃撃事件のとき、容疑者の母親が本当に破産したのかもこれで検証できました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;Flightradar24 も、船と同様に飛行機の情報が取れますが、そのせいでイーロン・マスクがプライベートジェットの追跡アカウントを凍結する引き金にもなりました。&lt;strong&gt;民主的な社会のためのオープンデータが、個人や組織の利害と衝突する局面は必ず生まれる&lt;/strong&gt;。これをどうするかという課題は大事です。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;メディアの持続可能性&lt;/strong&gt;：Bellingcat にヒントがあります。&lt;/p&gt;
&lt;ol&gt;
&lt;li&gt;対象とするソースをどんどん広げている&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;手法がこれまでと違う&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;&lt;strong&gt;調査に参加する人間が、ジャーナリストだけでなく一般の人や外部の専門家ともつながっている&lt;/strong&gt; ← これこそが持続可能性を広げる&lt;/li&gt;
&lt;li&gt;テクニックを使えるようにする人材育成やコラボもやっている（毎日新聞やNHKにも「弟子」がどんどんできました）&lt;/li&gt;
&lt;/ol&gt;
&lt;p&gt;壁になっているのは、秋田魁新報の記者が一面で書いたような「使えない形式のデータ」や「年度ごとに変わる書式」です。大きな障害なので、みんなで声をあげましょう。&lt;/p&gt;
&lt;h2 id=&#34;おまけ--分類と系統が大スクープにつながった話&#34;&gt;おまけ ― 分類と系統が大スクープにつながった話
&lt;/h2&gt;&lt;p&gt;（時間に余裕ができたので、続きのおまけをお話しします。）&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;昨日の三中先生の「分類思考と系統樹思考の相互関係」の話に痛く感銘を受けました。「そうだよね」と思ったのは、実際にこれをやったことで大スクープにつながった話があるからです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;災害報道の講座でよく出す例ですが、&lt;strong&gt;大川小学校&lt;/strong&gt;の件です。東日本大震災最大の悲劇の1つと言われ、74人もの子どもたちが津波の犠牲になった。なぜそんなことになったのか。校庭にみんないて、逃げるための行動になかなか移せなかった。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その時に各社が一面で報じたのは、大川小学校の避難マニュアルです。避難場所として「近隣の空き地・公園」と書いてあった。ところが、それに値するようなものは大川小学校の周辺には実は存在しない。だから逃げようがなかったのではないか――ここまでは各社が報じました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;ところが、&lt;strong&gt;なぜそうなっていたのかまで追求しないと本当の原因は分からない&lt;/strong&gt;のではないか。当時仙台にいた記者が何をやったかというと、石巻市中（最終的には宮城県中）の学校の避難マニュアルを全部集めたんです。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;集めて読み込むと、津波で17校も被災していた。大川小学校だけが被災したわけではない。そのうち8校は、そもそも&lt;strong&gt;津波の想定をしていなかった&lt;/strong&gt;。大川小のマニュアルも、見ると「地震発生時」にはなっているけれど、津波被害を想定していない。海側なのに、過去に三陸津波があったのに――そういう不思議なマニュアルが存在していた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;さらに全部を分析すると、なぜか内容がそっくりなものがあり、&lt;strong&gt;分類してみると大まかに4種類に分けられる&lt;/strong&gt;ことが判明した。ではなぜこの4種類になったのか。今度は&lt;strong&gt;系統立てて&lt;/strong&gt;調べていく。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;小学校には防災に詳しい先生など滅多にいない。だから、比較的防災に詳しいある先生が作ったマニュアルを、隣の学校の先生が「それコピーさせて」と借りて少しいじる。それをまた別の学校の先生が「コピーさせて」と……という&lt;strong&gt;系統が4系列あった&lt;/strong&gt;。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;その系統をたどっていくと、浮かび上がったのが&lt;strong&gt;10年前に石巻市が各学校に配っていた参考資料&lt;/strong&gt;でした。この参考資料と実際のマニュアルを比べると――残念なことに、この参考資料を作った先生が内陸部の方だったので、津波のことを想定していなかった。その&lt;strong&gt;いびつなマニュアルが4種類に発展していった&lt;/strong&gt;。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;途中で「これは危ないんじゃないか」と思った先生がいて、津波のことを書き加えたマニュアルも確かにありました。4系統のうち2系統では、津波の記述が最後まで到達していた。一方で、ひどいものはそのままコピーされて残っていた。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;大川小の悲劇は&lt;strong&gt;人災だった&lt;/strong&gt;と私たちは結論づけて報道しました。裁判の判決が出る前でしたが、実際に裁判でも人災だったと認められました。&lt;/p&gt;
&lt;p&gt;やはり&lt;strong&gt;分類と系統は大事だ&lt;/strong&gt;という話です。ビジュアルはあまりうまくできていませんけれど。&lt;/p&gt;
&lt;hr&gt;
&lt;p&gt;&lt;strong&gt;三中先生&lt;/strong&gt;：今の最後のマニュアルの系図は、もうかなり確実ですね。「祖先マニュアル」があって、学校ごとにコピーして多少の変更を加えながら伝わっていった。そして一番最初の「始原マニュアル」には津波に関する記述が一切なかった。それがどこかの「子孫マニュアル」で「津波はやはり必要だよね」というものが生まれたけれど、そちらの系統は（大川小には）伝わらなかった。非常に面白い話です、ありがとうございました。&lt;/p&gt;</description>
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