Data Visualization Japan Meetup 2021(2021年12月29・30日開催)における、林 尚芳さん(株式会社VALUENEX)の講演です。特許・論文といった科学技術情報の分析事例を紹介します。
「科学技術情報分析の面白さ」というタイトルで発表させていただきます。
こんな面白いことができるんだ、こんな情報源があったんだと感じていただいて、一人でもこの情報を分析してみよう、可視化してみようと思ってくれる人が増えたら嬉しいなと思っています。
自己紹介
林と言いまして、VALUENEX という会社に所属しています。主にクライアントの研究開発に関するデータ分析プロジェクトをやっていて、民間企業の研究企画・イノベーション推進室・経営企画部・知財部、そして公的機関の技術調査部門といった方々と一緒に取り組んでいます。
**特許・論文といった科学技術情報、企業情報、スタートアップ情報をうまく分析しながら、R&D を前に進めるための知見を生み出していく。**ビジネスインテリジェンスをもじって「R&D インテリジェンス」と呼んでいます。科学技術と社会実装・事業化の橋渡しを支援したいと思っています。
科学技術情報とは何か
Google Scholar は普通の Google 検索と構造が似ていますが、2点違います。
一つは「Scholar(学者)」とある通り、論文や本を検索できること。
もう一つが、「巨人の肩の上に立つ」という一言が書かれていること。
これはニュートンがフックに宛てた書簡の中の言葉と言われています。
私が彼方を見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に乗っていたからです。
ニュートンが自分だけでゼロから全てを発見したわけではなく、それまでの研究者の失敗と成功の積み重ねの上に立って自分の新しい発見につながった、という意味です。
私もこの通りだと思っていて、科学技術情報はまさしく人類の叡智が蓄積された情報源の一つなのではないかと思っています。
特許と論文
- 特許:新しい発明の権利を取得するために発表するもの
- 論文:研究者が研究成果を世に知らせるために発表するもの
フォーマットは似ています。タイトル、技術・発明の中身、イメージ図、テキストの詳細情報。そして人の情報——発明者は誰か、どの企業・大学が出願したか。論文も同様にタイトル・著者・組織・サマリー。
そして前のものを引用して新しい論文や特許を出すので、技術同士のつながりも含まれています。
誰が使っているか
もちろん一番のユーザーは研究者自身ですが、国・大学・企業といった組織も現状把握や戦略立案に活用しています。
- 国 ——JST、特許庁、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)などが特許分析や、特許と論文を組み合わせた分析をレポートし、政策に生かしている
- 企業 ——特許庁の「経営戦略に生かすための知財情報分析」調査報告書には、企業がどう分析・活用しているかの事例が挙がっている
- 大学 ——自分たちの研究力・競争力を分析して経営に生かすため、論文情報や世界各国の政策情報を分析している
- 機関投資家・金融機関 ——GPIF は投資ポートフォリオが気候変動でどんなリスクを被るか/逆にどんな機会があるかを特許分析で明らかにする。DBJ は特許価値分析。三菱UFJモルガン・スタンレーでは証券アナリストが業界・個別銘柄のレポートを書く際に、市場情報や財務情報だけでなく特許情報も活用している
まさしくデータ解析・可視化が生きる領域なのではないかと思っています。
事例① 「可視化の可視化」
まずデータ可視化に関する論文情報を集めて可視化するということをやってみました。
データソース ― The Lens
The Lens というサイトがあり、特許や論文データを無料で検索できます。
今回はタイトル・アブストラクトにデータビジュアライゼーション関連の語が入っていて、分野もそれに該当する論文を、2001年以降で約3.4万件集めました。
**The Lens は非常に便利で、検索だけでなくダッシュボードも簡単に作れます。**この3.4万件について、簡単な分析なら The Lens 上で十分できます。
傾向を見ると——
- 件数は右肩上がり
- 国別ではアメリカと中国が2強で、他は大きく離れる。(中国は途中でピークがあって一度下がりまた上がるという傾向があり、その要因は分かりませんが、こういうグラフを見て「なんでだろう」と深掘りすると面白い)
- 日本は第6位くらい
- **組織別トップはカリフォルニア大学、2位が中国科学院、3位が Georgia Tech。**企業では Microsoft と IBM がランクイン
3.4万件をどう深掘りするか
ここから先、具体的にどういう技術が研究されているかを深掘りするのはハードルが高い。3.4万件すべてを読むのは大変です。
ここでこそデータ可視化の技術が活用できるのではないか。
そこで作ったのが「俯瞰図」です。
論文のアブストラクトから論文同士の内容の近さを計測し、近いものは近くに、遠いものは遠くに配置する。1点1点が論文で、3.4万件がプロットされています。
密集しているところは研究が集中している。逆に疎なところは、まだ研究がされていない・少ないところと言えます。
3.4万件を全部読まなくても、全体像をパッと見てどこにどういう技術があるかを理解し、全体構造を素早く把握できる。
見えてきた領域
密集している領域にラベルを付けていくと——
- 中央:データマイニング、知識発見、テキストマイニング、検索エンジン、論文分析、センチメント分析、ニュース分析
- その周辺:BI、ビジュアルアナリティクス、図書館情報学
- 上:動きの分析——視線分析、軌道分析、動画分析、トラフィック分析
- 右:各種分析・可視化手法——自己組織化マップ、クラスタリング、平行座標法、次元圧縮、ツリー構造。さらに右にシミュレーション、その下にレンダリング
- 左:ディスプレイ、モーションキャプチャ、AR/VR、没入——インタラクション系
- 左下:モバイルデータ、IoT、環境センシング、都市情報分析、GIS、スマートグリッド、大気汚染モニタリング、エネルギーマネジメント、水資源マネジメント
- 下:バイオ・医療——COVID-19、ヘルスケア、ゲノム分析
- その他:学生・教育へのデータ可視化の応用
これまでのお二人の発表がどこにマッピングされるかを考えながら聞いていました。山辺さんはコロナウイルスのゲノムの3次元可視化なので COVID-19 の領域、あるいはゲノム寄り。杉本さんは VIRTUAL SHIZUOKA なので都市情報分析・GIS・センシングのあたりにプロットされるのではないかと想像していました。
地図として使う ― 時系列推移
これを一つの地図と見立てていろんな観点で分析します。
5年ごとのヒートマップで見ると——
- 最初の5年:レンダリングとデータマイニングが中心
- 徐々に:ネットワーク分析、グラフマイニング、検索エンジンが増え始め、動画分析、トラフィック、セキュリティ、ソーシャルネットワーク、テキスト分析、シミュレーションが活発化
- 直近5年:都市情報分析、エネルギーマネジメント、IoT、AR/VR・没入、COVID-19、ヘルスケア、BIダッシュボード、ビジュアルアナリティクスが相対的に活発
基本的な分析・可視化手法から、徐々にいろんな応用やインタラクション系に広がってきているのかなと思いました。
研究者別に見る
ランキングトップの研究者だけを光らせると、レンダリングの領域にかなり集中しています。UC Davis の教授で、超新星の可視化、物理現象や人体現象の可視化をやられているようです。
第2位の Keim 教授はドイツの大学の方で、レンダリングは無く、逆にニュース分析・テキストマイニング・ビジュアルアナリティクスで論文を発表されています。
彼の論文には「ビジュアルアナリティクスとは何か」「その挑戦課題は何か」といったものがあり、ビジュアルアナリティクスはとても学際的な領域だと述べています。中央にビジュアルアナリティクスがあり、その周りに情報可視化、地図情報、統計・機械学習、知識発見・知識表現、プレゼンテーション、認知科学、インタラクションが織り交ざっている、と。
エマージング領域を探す
あまり密集していないけれど最近伸び始めた領域を「エマージング領域」と呼んで探索してみました。昔はなかったけれど最近グッと伸びてきた波形をディテクトするわけです。
すると——データジャーナリズム、フェイクニュース、政治関連、BIダッシュボード、機械学習、CRM、市場価格予測、食品・食事、COVID-19、因果関係、犯罪分析、大気汚染モニタリング、IoT、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)、カラーマップ、t-SNE や UMAP といった次元圧縮の新手法、創薬応用、RNA シークエンス分析などが挙がってきました。
いくつか具体例を挙げると——
- COVID-19 ——スペインの気象・大気の時空間データと感染との因果関係性を可視化分析できるシステムを開発し Web で公開
- 因果関係 ——視覚化デザインによって相関と因果を取り違えるエラーをどう避けるかの研究。GPA(成績)と朝食を食べたか食べないかという2軸の関係を、文章/棒グラフ/散布図/直線でそれぞれ表し、学生に「これは相関に見えますか、因果に見えますか」とアンケートを取る。この事例ではなぜか、あるパターンが因果っぽく見えるらしい。視覚化デザインで人間がどう感じるかを分析し、ガイドラインにしていこうという研究
- BIM ——中国・天津での事例。GIS でマクロな情報も、中間的な情報も可視化でき、BIM を使っているのでビルの中まで見られる。マクロ・ミディアム・ミクロを統合してシミュレーションし、デジタルツインの都市として運用していく
- カラーマップ ——深層学習でカラーマッピングされた図からカラーマップを自動抽出し、それを転用する
- 機械学習 ——ハイパーパラメータ探索を進化計算で支援し、どのパラメータがいいかを人間が決める際に可視化で支援する
- 次元圧縮 ——t-SNE、UMAP、主成分分析(PCA)などを精度・解像度・計算効率の観点から比較検討した論文。オーストラリアの水資源モデルデータに適用
まとめ ― 可視化は学際的
こうして見ると、Keim 先生が言っていた「データ可視化の学際性」を本当に感じるなと思いました。
- COVID-19 は可視化分析が問題解決に生かされている例
- 相関が因果に見える話は、可視化の方法によって人間のデータ解釈が変わる——インタラクションや認知の領域
- BIM 情報の活用はデジタルツインや IoT、地図情報、シミュレーションに関係する
- 機械学習は2方向ある——「データ可視化のための機械学習」(カラーマップ自動抽出、次元圧縮)と、「機械学習のためのデータ可視化」(パラメータ探索の支援)
「可視化の可視化」をやってみて、非常に学際性を感じて面白い分野だなと改めて感じました。
事例② 共著ネットワークから研究者を探す
論文にはテキスト情報だけでなく人と人のつながりもあります。
この仕事をしていると、よく**「良い研究者を探したい」**と言われます。**ただし「有名人は知っているので、知らない人を探したい」**と。
被引用数や論文数でランキングを取ると有名人がトップに来る。そうではなく若手や中堅の研究者を探したいというニーズです。
そこで人脈情報を活用します。ある領域の共著ネットワークを描くと、ネットワーク構造から「誰がどういう観点で重要か」を指標化できる(中心性と言います)。
- つながりの数が多い人が重要
- 何かと何かをブリッジする人が重要
また色でコミュニティを検知すると、研究グループがこう研究しているんだと発見できます。
可視化の限界も踏まえる
ただしネットワーク可視化には「ヘアボール現象」 があります。数万人のネットワークを可視化すると、どこに目をつけていいか分からない。
そこは指標化と解釈をうまく組み合わせるのがいいと思っています。
研究者探索の例では——
- 実績を表す指標:被引用数
- 成長可能性を表す指標:共著ネットワークから引き出した評価
この2軸で4象限に分けると、実績は高いが成長が止まっている人=大御所、両方高い人=業界のリーダー、そして被引用数だけでは埋もれてしまう人が右下に出てくる。
実際に機械学習分野で計算すると、ディープラーニングの父と言われる3名はやはり上に来て、GAN の提案者である Ian Goodfellow もいて、若手・中堅の研究者が出てきました。
企業の目的に応じて、大御所にアタックするのか、リーダーに行くのか、エマージングに行くのかという意思決定につなげられます。
可視化しても知見が獲得しにくい場合は、指標化と「何を見たいんだっけ」を考えることで克服していくのがいいかなと思います。
事例③ 特許は「権利情報」でもある
特許も同様に技術動向分析や組織分析ができますが、論文との大きな違いは、特許は技術情報だけでなく権利情報でもあるという点です。
最近では日本製鉄がトヨタ、中国の宝山鋼鉄、三井物産を特許侵害で提訴しています。
事業会社同士 vs NPE
事業会社同士なら、A社が「御社は私たちの特許を踏んでいますよね」と言うと、B社が「いやいや、あなたも私たちの特許を踏んでいますよね」とクロスカウンターを打てる。訴訟を続けるか、途中でクロスライセンスするか、いろんな手が取れます。
一方 NPE(不実施主体) ——特許権は持っているが自分では事業をしていないところ(大学や研究機関もそうですし、それを使って儲けるパテントトロールと呼ばれる会社もあります)——からの訴訟だと、相手が事業をしていないのでカウンターが打てない。最後まで裁判をやり切るか、途中で折れるか。選択肢が減ってしまう。
予測が当たった事例
2017年、Intellectual Ventures が電動モーターの特許でトヨタを提訴しました。それまで Apple や Google など IT 企業が提訴されることが多かったのが、ついに自動車会社も、と話題になりました。
このニュースを見て「今後、自動車会社が注意すべき領域はどこなんだろう」と考え、レポートを執筆して公開しました。
Intellectual Ventures とトヨタの特許を混ぜて可視化すると——2社が重なるところが注意すべき領域。訴訟されたモーター系はまさしく IV 社の特許がトヨタの領域に食い込んでいた。そしてバッテリー、半導体、デジタルイメージング、通信・ICT 系も注意すべきでしょうと当時言っていました。コネクテッド化が進むことも踏まえてです。
モーターの訴訟はトヨタが勝ったと記憶していますが——2021年10月にまた訴訟されています。今度は通信関連の特許で、トヨタ・ホンダ・GM が10件以上の特許侵害で提訴されました。
その中の1件、「場所に応じて車両のスピードをコントロールする」特許は、当時私がレポートで「ここは注意すべきですよ」と言及していた特許と同じものでした。
ある種、当時の推定が当たっていたことになります。動向を考えれば予想された動きではあったのですが、データ分析・可視化をうまく使うことで具体的にリスクを洗い出せる。
なぜ面白いのか
超主観的な理由で言うと——**知的好奇心が満たされる。**いろんな分野の先端情報や研究者の取り組みが見られるので面白い。
そしてデータの濃密さ。一つ一つが研究者・技術者の好奇心と情熱の積み重ねであり、失敗と成功の記録でもある。そういうデータを扱えるのは非常に幸せなことだと思っています。
客観的な動向
知財 ——2004年には「三位一体経営」(事業・研究開発・知財が三位一体で戦略を練る)が言われ、最近は「IPランドスケープ」 ——知財情報と公開情報と社内情報を融合して分析し、知財部門と経営者と事業責任者が経営・事業を進めていく——が言われています。
アカデミア ——学術情報の流通が変わってきています。オープンサイエンスとプレプリントです。
従来は研究 → 出版社に投稿 → 査読 → 発表でしたが、**プレプリントは自分の研究をすぐアップロードして公開してしまう。**特に機械学習分野で活発です。
そうなると学術情報は即時化・大規模化・複雑化する。玉石混淆のデータから価値のある情報を出していくためにデータ分析の必要性が増すのではないかと思います。
COVID-19 に関するプレプリントは2020年1月から9月の9ヶ月で約16,000件増えました。コロナと戦っている間に科学者たちがプレプリントをどんどん発表し、お互いに参照し合いながら打ち勝つ方法を見つけ出していた——その努力の結晶を感じるチャートだと思います。
日本の研究力
論文数もトップ10%論文もトップ1%論文も日本が下がっている——見たことがある方も多いと思います。他国はキープまたは増加しているのに日本だけが落ちている、伸びが少ない。
これをどうにか解消したいということで、「世界と伍する研究大学専門委員会」 などで検討が進んでいます。研究資金の調達(交付金・競争的資金・10兆円ファンド・基金・ギャップファンド)、科学技術の商業化(大学の知財の産業移転、大学発ベンチャー)、研究者と研究支援人材の育成と労働環境、そして大学・研究機関の研究力をそもそもどう評価するか。
データ分析・可視化は、状況の理解、打ち手の検証、KPI 設計——「研究力を測るとはどういうことか」というところに寄与できるツールだと思います。
研究力の指標も多様です。論文数・被引用数だけでなく、研究者が何人いるか、研究時間がどれだけ確保できているか、プレプリントがどれだけ出ているか。さらにサイエンスから技術へリンケージされて特許になり、産業競争力や市場占有率になる——インプット・アウトプット・アウトカムそれぞれに指標があります。
内閣府からは e-CSTI というシステムが出ていて、大学・研究機関の研究力・教育力・資金調達に関するエビデンスを収集して分析できます。
プレイヤー
- NISTEP がデータ解析政策研究室を新設し、新しいデータ解析手法を研究
- ユーザベース ——SPEEDA で企業情報分析が有名ですが、最近は特許情報・論文情報も分析でき、企業と技術情報をつなぎ合わせることに注力
- PatSnap ——2021年にソフトバンクなどの出資でユニコーンに。特許・論文・企業情報を横断的に検索分析でき、日本語検索もできるようになってきた
データ分析・可視化が活発化する起爆剤になるのではないかと期待しています。
また弊社のお客様でも——旭化成が DX 説明会で「特許データを分析して事業変革を起こす」と発表し、可視化の結果を踏まえて技術者・マーケティング・知財部が議論して気づきを得て戦略に生かす。****ブリヂストンでは CEO 自らが分析結果を経営会議で発表しているそうです。
今後やってみたいこと
科学的知識発見
バイオインフォマティクス、マテリアルズインフォマティクス、そして ABC モデル。
ABC モデルとは——ある方が、ある病気に魚油が有効であることを、実験ではなく論文情報から予測したという話です。
- 魚油には血液粘性を下げる働きがあるという知識を論文から抽出
- 別の論文から レイノー病は血液粘性が高いという関係も抽出
- この2つをつなげて「魚油はレイノー病に効くはずだ」と予測
「風が吹けば桶屋が儲かる」のように数珠つなぎで新しい知識を発見したわけです。実際の実験でも証明されたそうです。
科学技術情報の日常化
一般の生活者がこういう情報から知識を得て、より良い暮らしができる世界にも興味があります。
**実は最近、子どもが生まれたのですが、「小耳症」という病気がありまして、左耳がないんです。**右耳は聞こえるけれど左は聞こえない。生まれて初めてそれを知ってかなり不安になりました。
Google で検索するといろんなブログや記事が出てきて、それはそれで勉強になったのですが、不安は拭えなかった。
**だったらちゃんと科学技術情報を見ようと思って論文を検索しました。**すると——ご自身が小耳症で、今は耳鼻科の医師をされている先生が、自分の経験と研究の話を織り交ぜて論文を書かれていた。これを見た時に、不安な気持ちがすごく落ち着いたんです。
科学技術情報は普段の生活でも生きるのではないかと思っています。
**医療機関や医師を探す時も、論文を見て「誰がどんなことをやっているんだろう」と調べる。**実際にその医師に会った時、やっていることを聞いて、どんな治療がいいのかを聞くことができた。相手から何かを引き出すところにも使える。
大学のシラバス
シラバスには学ぶ内容・教科書・参考文献が入っています。学生が勉強する時や講義・研究室選びに使えますし、オープン化されて各大学のものが見えると面白い。学生でなくても一般の人が独学する時の補助情報として使えるのではないか。
実際グローバルには Open Syllabus Project があり、シラバスに載っている教科書の近さをマッピング——同じシラバスで共有されている教科書が近くに配置されるアルゴリズムで可視化されています。本当に面白い試みだと思います。
実務での学び ― 「で、何?」と言われないために
こういうことをやっていると、よく「で、何?」と言われます。
私の取り組みを抽象化すると——データがあり、それに造形を与える・指標化する・評価する。そして「感じる」「理解する」を通じながら解釈可能性を引き出し、発見・思考につなげる。
「で、何?」となる要因は——
- そもそも目的が合っていない
- ソリューションが面白いので、そこから入りすぎてしまう
- 相手が思考しやすいように結果を提示できていない
なので——
- 言葉で言って分からない時はプロトタイピングしてしまう
- 目的・手法・アウトカム・どう業務化できるかのドキュメンテーション
- 目的と手段の振り子を柔軟に行き来する
そして最後の思考・アクションについては、ただ結果を並べるのではなく、結果を組み合わせて「こういうストーリー」「こんな解釈があるんじゃないか」を提示できるように意識しています。
ご清聴ありがとうございました。科学技術情報が面白いデータベース・情報源だなと思った方がいらっしゃいましたら、ぜひ遊んでみていただけると嬉しいです。