Data Visualization Japan Meetup 2023(2023年12月29・30日開催)における、加藤 創さんのLTです。昔の地図は難解で読みにくい——そんな古地図を、誰にとっても親しみやすい現代風のデザインで復元した「れきちず」の制作過程を紹介します。
今日は、現代風の歴史マップ「れきちず」についてお話しします。内容は3部構成です。
自己紹介
私は「地図とデザイン」という名前で、Twitter などに作品を投稿している加藤と申します。地図や路線図といった、何らかの可視化にあたるものを投稿しています。こうしたものを投稿していたところ、お声がけをいただいて転職したり、本を出版できたりしました。今は札幌市に住んでいます。
仕事は、株式会社ミルネという位置情報を扱う会社で、グラフィックデザイナーをしています。「れきちず」は、個人的に地図が好きだということをきっかけに作り始めました。
「れきちず」を作った理由
昔の地図を見ると、筆で書かれているために可読性に難があったり、文字の向きがいろいろな方向を向いていたりします。そこで、地図や歴史に詳しくない、あまり興味がないという人に対しても分かりやすい地図を作りたいと考え、現代の地図のデザインで制作することにしました。
制作方法
地図を作るにあたっては、QGIS という、データの閲覧や編集ができるオープンソースのソフトを使用しました。作り方としては、江戸時代の地図と明治の地図、現代の地図を組み合わせて、江戸の地図を復元するような作業をしました。
地図情報については、江戸時代の地図や、江戸の名称がまとめられた当時の文献、地名の辞書などから推定しました。
さらに、オリジナリティが欲しいということで、地図のデザインやアイコンもオリジナルで作成しました。江戸時代に当時あったらこんな感じかな、というアイコンをいろいろと作りました。
情報を作る上で留意した点
情報を作る上で留意したのは、信頼性が高い出典元を極力使用すること、そして著作権の問題があるので Google マップのような商業的な地図は使わないこと、この2点です。
Web地図の実装
Web地図については、先ほど紹介した QGIS というソフトと、地図を表示する MapLibre というものを使用しました。詳細は Qiita という技術ブログにまとめてありますので、そちらをご覧ください。
完成したものがこちらです。あまり時間がないのですが、このように自由にズームできるようになっています。今は関東しかできていませんが、こういった形で自由に拡大・縮小できます。
反響と今後の展望
結果として、ありがたいことに大きな反響をいただき、テレビにも取り上げていただきました。私は北海道に住んでいて、資料を探すために本州にはなかなか行けないので、ネットのデジタル図書館などにある資料をいろいろ使いました。そうした資料がデジタル化されていることのありがたさを感じました。
今後の展望としては、さまざまな機能を作っていきたいと考えています。ここまでは個人的な趣味として作っていましたが、私はデザイナーなので、技術的にこれ以上は難しいという限界がありました。いろいろと相談したところ、会社のプロジェクトとして取り組めることになったので、これからさらに地図を強化していけたらと思います。
途中、配信環境の都合で通信が途切れてしまい失礼しました。以上で発表を終わります。ありがとうございました。